江戸時代の「お殿様」を地域の活性化に-。広報コンサルティング業のデミパブリックリレーションズ(東京都中央区)は、各地の観光資源と殿様を結び付けて宣伝する地域PR支援サービスに乗り出した。対象は自治体や商工会議所で、事業初年度は約20件の受託をめざす。
サービス名は「お殿様DE地域PR」で、人口20万人以下の市町村を対象に提供する。殿様とは、江戸幕府の許可を得て各地を統治していた大名。その歴史上の人物を主な切り口に、観光客の増加や地域産業活性化につながるPRプランを提案する。
サービスの流れはこうだ。プラン作成を希望する自治体は、パソコンで同社運営の広報支援サイト「ピーアールサクセスネット」にアクセスし、申請画面に組織名や要望などの必要事項を入力して依頼する。
同社が依頼内容を確認し契約が成立すると、PR担当者が依頼地域の江戸時代について調査を始め、殿様にまつわる物語をまとめる。その際、日本史研究を行う東京大学史料編纂(へんさん)所などを利用するほか、歴史研究家らの協力も得る。
次に調査結果を踏まえて、プランを具体化させる。例えば、殿様のキャラクターが表示された統一パッケージで地域特産品を包んだり、地元企業と連携して歴史にちなんだ新規特産品を開発したりする。その際、新聞や雑誌などに特産品関連のリリース情報も発信していく。
受託からプラン作成に至る過程で多用する交渉手段は、電子メールだ。これにより、直接の打ち合わせに必要な交通費などの発生を抑え、月額5万円という安価なサービスを実現した。またプラン作成期間は、6カ月が基本になるという。
.「フジサンケイビジネスアイ」