「待ち時間解消」で二兎追え 不満和らげ競争力向上 企業の取り組み拡大

株式会社日本総合研究所 掲載日:2020年1月28日

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客が乗るバスの位置をパソコンで把握するオリックスレンタカー那覇空港店 null
くら寿司が導入した、席に着く前にスマートフォンで注文できるシステム

観光や飲食、医療といったあらゆるサービスの待ち時間を減らす企業努力が広がってきた。客の不満を和らげるとともに、競争力を向上させる一石二鳥が期待できるためだ。不要な待ち時間は「経済的な損失」(エコノミスト)で、長蛇の列の解消に向けた機運の高まりが期待される。

席に着く前に注文

2019年に約1000万人が訪れた国内有数の観光地・沖縄。オリックスレンタカー那覇空港店(沖縄県豊見城市)では、観光の足となる車を客に引き渡すまでの時間を10年以上かけて少しずつ縮めてきた。

ストップウオッチで場面ごとの所要時間を把握。客の到着便をチェックし、書類の下準備を徹底した。必要事項は、空港と店舗を結ぶバスの中で説明。円滑な案内につなげようと、衛星利用測位システム(GPS)でバスの位置を追える仕組みを構築した。平均30~40分だった店舗到着後の待ち時間は、16年ごろには15~20分に短縮。19年に受付カウンターを増設すると10分を切り、貸し出し能力の強化で増加する観光客の取り込みに成功した。店舗の売り上げはこの5年ほどで1.5倍に増えた。

「時間は価値と考え、一分一秒を縮めようと地道に取り組んできた。スピードを評価し、リピーターになってくれるお客さまも多い」。沖縄エリアの責任者は胸を張る。

待ち時間に着目したのは回転ずし大手のくら寿司も同じ。19年夏以降、席に着く前にスマートフォンで注文できるシステムを約250店舗で導入した。最初の1皿をなるべく早く提供することで、1組の滞在時間を約5分短くできると試算した。

「5分も積もれば山となる」と広報担当者。ピーク時に2時間待ちも珍しくない繁盛店で混雑解消が進めば、客の満足度と回転率を同時に高められる。

日本総研の松村秀樹調査部長は、働く日本人が行列に並んだばかりに失う機会費用を、平均年収などから1人1時間当たり2500円とはじき出した。「さまざまな場面で発生する待ち時間は膨大な経済的ロス。解消が必要だ」と強調する。

診察代を後日払い

1日約5000人の外来患者が訪れる順天堂大医学部付属順天堂医院(東京)は19年4月から、クレジットカードによる診察代の後日払いサービスを始めた。事前にカードの情報を登録しておき、受診後に書類を受付に提出。並ぶことなく帰宅でき、決済後に支払い完了の通知がメールで届く。受診後約13分で手続きが終わるといい、現金払いに比べて大幅な短縮となる。

半年余りで約1万6000人が登録し、患者の15%程度が利用している。担当者は「混雑すると院内感染や接触事故のリスクが増えるため、どうやって解消するかが課題だった。若者だけでなく、中高年の利用も増えている」と手応えを語った。

「フジサンケイビジネスアイ」

 
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