杉原剛氏
■クラウドで一元管理、有効活用への行動促進
企業が保有するデータが大量化・多様化する現在、ビジネスリーダーは自社の優位性と競争力の確保のためにデータ活用が不可欠であると感じているでしょう。しかし実際には、集計作業に膨大な時間と労力が割かれており、迅速な意思決定には程遠く、データの扱いに頭を悩ませているという声を多く耳にします。
私が身を置く広告業界でも、「データが社内のあちこちに散在している」「大量のエクセルリポートを手動で作成している」「日々刻々と広告のあり方が変化するにもかかわらず、タイムリーに打ち手を講じることができない」など、データ量の増加と比例して、次々と課題が現れてきました。本来は次のアクションを議論して意思決定すべき場である会議も、単なるリポートの読み合わせのための集まりになってしまっています。その原因は、誰もがデータを閲覧できてすぐにアクションを起こせる形になっていないことにあるでしょう。
本書で提案する「Domo」は、私がデータ活用の最適解と考えているソリューションであり、経営者や現場のビジネスパーソンが抱える課題を解決するものです。ビジネスに必要なデータや機能をクラウド上のプラットフォームに統合・一元管理するDomoは、企業・組織内のあらゆる社員が同じデータへアクセスするのはもちろん、素早いアクションに役立ちます。
私は数々の企業において、Domoの導入のお手伝いをしてきました。いち早くデジタル変革にかじを切った花王やソフトバンク、ソニー・インタラクティブエンタテインメントなどの事例を交えながら、データを使いこなす組織の実現と経営の最適化への取り組みを紹介しています。また、読者の皆さまがすぐに変革に取り組めるよう、データ活用のためのプロジェクトの目的や考え方を詳細に解説し、組織内の全社員がデータに基づいて行動する文化の醸成法を紹介します。
リアルタイムに可視化されたデータの提示や、アクションを促すアラートの送信など、どの企業がビジネスを行う上でも必要不可欠な機能を、Domoは提供します。
データの有効活用に向けて日々奮闘する皆さまにとって、本書が少しでも役立てば、これほどうれしいことはありません。(2000円+税 インプレス)
【プロフィル】
杉原剛 すぎはら・ごう
KDDI、インテルにて営業・マーケティングに従事。
オーバーチュアの立ち上げに参画後、グーグルにて広告事業の戦略立案、オペレーション設計などに携わる。
2009年にアタラ合同会社を創業、Web APIを担当した各種システム開発、マーケティングとITを融合したコンサルティングなどを行う。Domo認定ビジネスコンサルタントとして、多数の企業におけるビジネス課題の特定、Domo導入による価値創出のプロジェクトに携わる。
「フジサンケイビジネスアイ」