エヌリンクス 栗林憲介社長
エヌリンクスは、創業時から取り組むNHK受信料を契約・収納する営業代行事業を柱として、賃貸住宅紹介サイトやゲーム攻略サイトの運営などメディア事業も手掛けている。4月27日に、東証ジャスダック市場に新規上場を果たし、今後は、営業代行事業の安定性と、メディア事業での伸長を両立させて成長を図る考えだ。栗林憲介社長は「売上高の8割を営業代行が占めているが今後メディア事業を伸ばし、将来的に五分五分の割合にする」と展望する。
--NHKの営業代行が事業の柱となっている
「NHKからの業務委託で、受信料の新規契約を獲得するほか、滞納者から支払い再開手続きをしてもらうといった業務を代行している。NHKが業者に支払う委託費は毎年300億円台で推移し安定している。当社の営業代行事業の売上高、営業利益はここ数年、拠点数を増やしたこともあり、右肩上がりで推移してきた。2018~20年のNHK経営計画では営業経費の増額が明記されており、今後も好調な事業環境が続くとみている」
--メディア事業の特徴は
「賃貸住宅紹介サイトの『イエプラ』と仲介店舗の『家AGENT』を運営している。従来の住宅情報サイトと違い、リアルタイムで深夜0時までチャットで相談できるのが特徴だ。イエプラで集めた客は、家AGENTに送客して契約を仲介する。他社の店舗とは違い、来店しなくても希望する部屋の近くで待ち合わせをして物件を案内している。単身者が増加している市場環境と、部屋探しをする人の手間を省いた利便性によって、事業に参入した15年2月期以降、18年2月期までの3年間で売上高は19倍に急成長している」
--他社と比べ、どのような強みを持っているのか
「検索エンジン最適化(SEO)対策によって、運営するメディアが上位に表示されるようにして集客につなげている。また、営業代行事業で培ったセールスノウハウを活用して、ゲーム攻略サイト『アルテマ』の広告枠を販売している」
--これからの成長戦略は
「営業代行事業は、NHKの受信料以外にも、これまでのノウハウを活用して横展開するつもりだ。現時点では未定だが、例えば、国民年金保険料の収納受託などへの参入が考えられる。イエプラと家AGENTに関してはデータベースマーケティングを駆使して、効率的に出店していく。ゲーム攻略サイトのアルテマは、スマートフォン広告市場の伸びに合わせて広告運用を強化する。毎年売上高と営業利益をともに10%以上成長させる計画だ」
【プロフィル】
栗林憲介 くりばやし・けんすけ
日大商卒。2005年テナントグランス取締役。レーサム、クルーガーグループを経て、10年3月にエヌリンクを設立し、現職。34歳。大阪府出身。
【会社概要】エヌリンクス
▽本社=東京都豊島区池袋2-14-8 池袋NSビル5階
▽設立=2010年3月
▽資本金=3億1073万円
▽従業員=551人 (2018年2月末時点)
▽売上高=48億5200万円 (19年2月期予想)
▽事業内容=営業代行、メディア運営
「フジサンケイビジネスアイ」