版権ビジネス・海外展開で高収益目指す

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壽屋・清水一行社長

□壽屋・清水一行社長

フィギュア・プラモデルの企画製造販売を手掛ける壽屋は9月26日、東証ジャスダック市場に上場した。これまでにアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」や映画「スター・ウォーズ」などのキャラクターを製品化してきた。自社コンテンツ開発に力を入れて版権ビジネスによって高収益を確保するとともに、市場の拡大が見込まれる海外展開にも積極的に乗り出している。清水一行社長は「幅広いニーズに対応し、流行に左右されにくい事業基盤を構築する」と意気込む。

--さまざまなキャラクター商品を出し続ける強さの秘密は

「長年にわたりモノづくりにこだわって高品質の製品を製造してきたことで、ブランド力を構築してきた。顧客を満足させるとともに国内外を問わず版権元から信頼され、次の版権獲得にもつなげている。独自の取り組みとして、日本と海外の文化を融合させた製品の企画開発がある。一例としてスター・ウォーズに登場する武器であるライトセーバーを模した箸をつくった。いい意味で顧客の信頼を裏切る製品が支持を得ている」

--業績の評価は

「2016年6月期はスター・ウォーズ関連特需という特殊要因があり、売上高は前年比25.7%増、経常利益が同43.9%増でともに大幅な伸びとなった。その反動で17年6月期はそれぞれ前年比で1.2%減、30.9%減だったが、これは一時的と考えている」

--自社コンテンツ開発に力を入れる理由は

「版権使用料の支払いが発生しないだけでなく、他社からのロイヤルティー収入や関連製品の展開によって収益が拡大するためだ。17年4月には独自コンテンツの『フレームアームズ・ガール』をアニメ化した。国内のほか、米国、中国、台湾などで配信され、非常に高く評価された」

--海外への展開について

「約20年前から海外市場へ製品を販売しており、展示会にも出展している。高い技術力と品質が認められ、海外イベントでは長年にわたって、最も注目を集める会場中心部での出展を主催者から要請されている。インバウンドについては小売り店舗である東京の秋葉原館が、サブカルチャーを好む外国人が訪れるランドマークとして認知されている」

--どのような成長イメージを描いているのか

「世界の玩具市場は20年までに年平均6%超の水準で安定的に成長すると見込まれている。このため引き続き海外でのイベント出展を積極的に行い、販路の開拓を図る。日本のアニメキャラクターは欧米でも人気があり、フィギュアなどの売り上げが見込め、潜在需要は非常に大きいとみている。版権取得による製品企画・製造・販売を基盤事業と位置づけるとともに、自社コンテンツを活用した事業展開を拡大していく」

【プロフィル】
清水一行 しみず・かずゆき
法政大一高卒。1978年壽屋入社。86年6月から現職。63歳。東京都出身。

【会社概要】壽屋
▽本社=東京都立川市緑町4-5
▽設立=1953年1月
▽資本金=4億2600万円
▽従業員=166人(2017年7月末時点)
▽売上高=83億6800万円(18年6月期予想)
▽事業内容=フィギュア、プラモデル、雑貨などを中心としたホビー関連用品の企画・製造・販売など

「フジサンケイビジネスアイ」

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