キューアンドエーの川田哲男社長
コールセンター事業を展開するキューアンドエーの新社長に、NECネッツエスアイの執行役員を務めた川田哲男氏が就任した。川田社長はコールセンターを「営業現場」ととらえた上で、「大手と異なる特色を打ち出しながら業績を拡大していきたい」と話す。
--社長就任に当たっての抱負は
「明るく元気で、気持ちよく仕事をできる空気を醸成することだ。それには給料を引き上げたりするなど労働環境の改善が必要となる。事業基盤の安定化に向けて収入を増やす一方で、コスト抑制に徹底的に取り組んでいきたい。ここは決してぶれてはいけない根っこの部分だ」
--経営のトップとして、配慮している部分は
「いろいろなメンバーとコミュニケーションを取りながら、どういった特性や伸びしろがあるかなどの把握に努めている。重視しているのは従業員同士の連携を促し、チーム力を高めること。おのおのの馬力が1~2割増して、全体のパワーアップにつながるマネジメントを目指す」
--コールセンター事業に対しては、どういった印象を抱いていたのか
「定型的なオペレーションで遂行できるという雑然としたイメージがあったが、実際は戦場のようで活気があり、営業現場に近い。ただ、私が携わってきた対面営業とは異なり、顔の見えないお客さまと相対し電話を通じて稼ぐというのはまったく目からうろこ。優れた技量とノウハウで対応できなければ対面営業よりも、よほど難しいというのが率直な感想だ」
--感動共有企業というビジョンを掲げている。
「本来であれば売る側とお客さまでは、顧客の方が立ち位置が高い。しかし、当社の場合は対等以上に共鳴し合っている。例えば80歳のユーザーから『お宅の化粧品を使えば外出したい気分になる』と伝えられ、電話の受け手側と一緒に喜ぶ場面に遭遇したが、これこそまさに感動共有企業。本当にいい言葉で、社員のモチベーションアップにもつながる。こうした社風をもっと広めていけたら、仕事ももっと増えるはずだ」
--今後の具体的な事業戦略は
「当社はパソコンなどICTデジタル製品のトラブルを解決する、サポートサービスの提供を得意としている。こうした技術的な領域をアピールし、大手との差別化を図る。また、グループには通信販売のセールスサポートや多言語コールセンターの運用受託など、さまざまな形態の会社がある。これだけ多様な企業群を抱えているグループはないはずだし、働き方改革や労働力確保、訪日外国人観光客対策など時流に乗ったソリューションを提供していると自負している。今後は総合力を発揮できるようにしていきたい。また、3者間通話による通訳サービスといったサービスを提供しているが、このインフラを活用した英会話教室など、新たな事業も視野に入れている」
【プロフィル】
川田哲男 かわだ・てつお 武蔵大経卒。1982年日本電気入社。2014年NECネッツエスアイ執行役員。17年6月から現職。57歳。神奈川県出身。
【会社概要】
キューアンドエー
▽本社=東京都渋谷区渋谷2-15-1 渋谷クロスタワー29階
▽設立=1997年7月
▽資本金=8億9740万円
▽従業員=1268人
▽事業内容=訪問やコールセンターを通じた、情報家電のトラブル、接続・操作の疑問などを解決するサポートサービスの提供
「フジサンケイビジネスアイ」