転職について話をするアドバイザーの高橋和華子さん=東京都港区
人材ベンチャー「SCOUTER」(スカウター、東京都渋谷区)は、審査をクリアした人なら誰でもアドバイザーとして知人、友人を企業に紹介して転職を支援するサービス「SCOUTER」を提供している。
アドバイザーが求職者との信頼関係を生かし、どんな仕事内容や働き方を望んでいるのか本音を聞き、納得できる転職先を提案する。転職者からは「自分に合った職場が見つかり、働きやすくなった」との評価が聞かれ、紹介実績は月間100件を超える。
SCOUTER(スカウター)の中嶋汰朗社長
中嶋汰朗社長(24)が、大学在学中の2013年に、新卒採用支援事業を始め、16年3月からスカウターのサービスを実施した。アドバイザーは各業界の会社経営者、ITや人材業界の関係者が多く、同社の契約社員として活動する。副業として取り組む人がほとんどだ。交友関係などで審査があり現在約1000人が登録、審査の通過率は4割程度という。
アドバイザーは求職者との面談内容を基に、スカウターの専用サイトの求人情報から企業を選び推薦状を送る。採用が決まれば転職者の年収の5%、最低15万円の報酬が支払われる。
5月からアドバイザーとして活動する営業セミナー講師の高橋和華子さんは「受講生から転職の相談を受けたとき、具体的な転職先まで提案できるようになり、やりがいを感じている」と話す。
企業側は無料で求人情報をスカウターの専用サイトに掲載、掲載数は累計2300件を超える。人手不足による採用難を背景に利用する企業はITから金融、広告、不動産業界に拡大している。
今後は利用者を首都圏以外に広げ、業界も増やしていくことが課題だ。中嶋社長は「より多くの人が、本当に必要とされるところで活躍できる社会を実現したい」と話す。
「フジサンケイビジネスアイ」