AI本格活用で顧客満足度向上目指す

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キューアンドエー・牛島祐之社長

パソコンなどのトラブルや操作法に関するサポートサービスを行うキューアンドエーは、AI(人工知能)の本格的な活用に乗り出した。牛島祐之社長は「当社の強みは独自のサービス。これと最先端技術を組み合わせることで、さらなるCS(顧客満足度)向上を目指していきたい」と話す。

--現在、最優先すべき経営課題は

「人材をなかなか確保できないことだ。人を採用して、その方に働いて頂き収益を計上するという事業モデルは、限界点に達しつつあるとみている。ここ数年の傾向であるが、とくに2016年度上期は苦しんだというのが率直な感想だ。ただ、当社は他社にはないサービスを生み出す力に秀でている。こうした嫌な流れを打破するために、最新のITを駆使しながら人だけに頼らない勝負に挑み、新しい事業モデルを構築していく」

--AI活用戦略はどのように進めていくのか

「コールセンターの機能をより高度にするため、AIによる実証をすでにスタートしている。具体的には医薬品など継続性が求められる商品の注文を行った顧客に対し、『どのようなフォローをすれば購入を続けてくれるのか』といった分析をAIを絡ませながら行っている。もともとは注文を受ける部分に適用していたが、情報収集といった領域に一歩踏み込むことによって、効果的なマーケティングにつながるはずだ。結果として物が売れるようになり、CS向上にもつながる。AIの実証事例はまだまだ少ないので、迅速にモデルづくりを進め、17年度以降に本格的なサービスを提供したい」

--サービス面は、どういった部分にポイントを置いて強化するのか

「パソコン上のセキュリティー対策だ。われわれは無意識に、金銭の取引を行ったときに動き出すような不正プログラムをダウンロードするケースがある。ある特定顧客を対象にした調査では、半数以上が行っていたほどだ。これを除去するサポートを開始した。年内に月間1万件をサポートできる体制を整えていきたい」

--宮城県警から民間企業としては初めて、サイバーパトロール隊の委嘱を受けた

「CSR(企業の社会的責任)対策の一環として取り組み始めた。この中にもAIの要素を取り入れており、ネットワークをパトロールして有害情報に関するキーワードを探し出し、事件の予兆を伝えていく。ビジネスではないが、新しいサービスにつながるだろう」

 --インバウンド(訪日外国人観光客)関連事業の方向性は

「グループ会社のランゲージワンを通じて、多言語のコンタクトセンターサービスを提供している。これに関しても最終的には機械翻訳と人との連携を進めていく。また、単に翻訳するのではなく外国人観光客のニーズを分析するなど、付加価値を加えた事業展開に力を入れていく。このサービスにもAIを取り入れるかもしれない」

                   ◇

【プロフィル】
牛島祐之うしじま・ゆうし 青山学院大経営卒。1984年NECネッツエスアイ入社。執行役員を経て、2014年キューアンドエー副社長、NECネッツエスアイ取締役。15年4月から現職。56歳。東京都出身。

【会社概要】キューアンドエー

▽本社=東京都渋谷区渋谷2-15-1 渋谷クロスタワー29階

▽設立=1997年7月

▽資本金=8億9740万円

▽従業員=1268人

▽事業内容=パソコンなどのトラブルの解決に向けたサポートサービス

「フジサンケイビジネスアイ」

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