「ビジネスパーソン5000人のうち、転職を考えている人は約4割の39.1%」という調査結果が、先日ニュースになっていました(インテリジェンス調べ)。転職バブル。今回の調査だけでは時系列での変化が見えないのですが、転職意向が少しバブル化しているのではないかとみています。
リーマン・ショック後の低迷期を脱した5年前から徐々に企業の求人意欲の高まりが先行していましたが、ここにきてようやく求職者側の転職意向も浮上してきたという状況です。知名度や年収・条件などに強みがある企業にとっては、良い傾向かもしれません。結果として、求職者にとっても、「検討してみたい会社の求人」が増加していることが追い風になっているのかもしれません。「現職での人間関係が好ましくない」「会社の先行きが不透明」「担当している仕事がミスマッチで配置転換も難しい」など、転職を必要とする人にとって、よい選択肢が増えることは好ましい状況なので、ぜひこの機会をうまく生かしていただきたいと願っています。
一つ懸念があるとすれば、「本来なら転職を考えていなかったし、転職する必要もなかった人」が、現在の求人バブルに錯覚を持って転職をしてしまうことです。
転職は「年齢」と「転職回数」が低ければ低いほど有利になる原則があります。35歳までの場合、求人需要は多く、転職しやすい環境にあるため「転職1回」の重みが分かりづらいのですが、35歳を超えた瞬間から、過去の転職回数と年齢が、ダブルの重荷になっていきます。35歳を境にしたこの温度差が、転職に関する相場観を狂わせる一つの大きな要因になっています。
「フジサンケイビジネスアイ」