ウェブサイト、スマートフォンアプリ制作のメディアアクティブは、ヘルスケア事業を強化する。少子高齢化の進展に伴って、安定したユーザーの確保が見込めることから第1弾として介護ケアアプリを開発、同分野への参入を決めた。年内に東南アジア進出も目指す。2年後には全社での売上高比率を50%以上に高めて、育児支援アプリと並ぶ主力事業に育て上げる。
介護ケアアプリ「Dr.Shimada」は、心拍数と体表温の情報を、家族や介護従事者など複数が共有できる。異常があった場合には医師に通知メールを自動送信。家族、医療、介護施設の現場の負担を軽減する。
在宅医療を推進する医療法人社団「南星会」(神奈川県藤沢市)の島田栄治理事長が監修した。測定機器メーカーのユニオンツール(東京都品川区)の心拍センサー「WHS-2」を使用する。センサーを心臓の位置に貼り付け、端末と連動させる。心拍数と体表温は常時アプリ上で確認でき、取得データはクラウド上に保存する。
心拍数が設定値を上下したり、体表面が37度を超えた場合は、警告音で異常を知らせる。担当医の連絡先を登録しておけば、メールが自動送信される。
介護施設をメーンに、在宅で介護する個人などに提供している。介護施設では夜間に重病の人に装着することで、職員の負担を減らすことができる。医師にとっても夜間に「脈がおかしい」という電話があった場合、往診をすることがあり負担となっていた。しかしデータが手元にあれば「脈がこういう状態であれば大丈夫」と明確に説明し、処置の仕方を指示することができる。
今後は心拍数と体表温だけでなく、転倒した瞬間に通知する機能も展開する。また子供用に誘拐、虐待、いじめ防止のためのアプリを開発してほしいという要望もある。消防、警察、自衛隊など危険を伴う現場で仕事をする人に装着してもらい、生命が維持されているかの確認に応用することも検討している。
「Dr.Shimada」の利用料は月額1万5429円。心拍センサー「WHS-2」は2万1384円。年内にタイ、マレーシア、シンガポールなど海外にも進出する。佐々木孝樹社長は「生活に役立つアプリ開発をコンセプトに、医療や福祉関連分野を充実させる」と話している。(佐竹一秀)
【会社概要】メディアアクティブ
▽本社=東京都大田区山王2-1-2 大森ステーションボックス7階
▽設立=2006年7月
▽資本金=2億1160万円(資本準備金を含む)
▽従業員=17人
▽事業内容=ウェブサイト、スマートフォンアプリ制作など
「フジサンケイビジネスアイ」