イノベーションズアイ編集局ニュース

店舗ドック 予防メンテの実証実験開始 4000店が参加、店舗の健康寿命延伸を証明

「果てしなく続く緊急メンテナンスをゼロにする」をミッションに掲げる店舗ドックは6月から、店舗の健康寿命を延ばす予防メンテナンスの実証実験を開始する。参加するのは大手飲食企業が運営するチェーン店舗(総数は約4000)で10月まで実施する。現状の「壊れてから直す」事後保全から、データに基づいた予兆・予防保全に切り替えることでコスト削減効果が生まれることを確認し、来年からの本格始動につなげる。3年後に1万店への導入を目指す。

同社がミッション実現のために提供するサービスは「店舗ドック」。人間ドックのように、測定機器を使った精密検査で店舗の健康状態を可視化し設備の劣化や不具合の予兆をつかむ。看板の劣化状況を予測し補修・延命を図る「看板ドック」で培ったノウハウを店舗全体に広げ、店舗の健康寿命を延ばす。看板ドックで構築した全国規模の看板業者のネットワークを生かす。

今回の実証実験は、人間ドックの前段階に当たる健康診断「店舗ドックベース」。設備を目視で点検する。各店舗でこれまでに受けた緊急メンテのデータを集積し分析。それをもとに設備台帳を更新し店舗の健康状態を可視化する。設備台帳を見れば、その店舗の緊急メンテの頻度のほか、屋根や配管、電気系統など個々の設備の事故履歴が分かるので、事故の事前回避・予防につなげられる。同社の試算では設備台帳の徹底的な精査と分析、対応により、従来の壊れたら直すという緊急メンテ費用を3割削減できるという。

飲食チェーン店の緊急メンテ費用は売上高の1%になるという。売上高1000億円なら10億円に達する。昨今は電気代の値上がりに加え、資材や設備機器の価格や人件費も上昇。これにより緊急メンテ費用は前年比10~20%膨らんでおり、毎年1億~2億円の追加負担を強いられることになる。それだけ利益が削られるわけで、緊急メンテ費用の削減は今や「待ったなし」といえる経営課題だ。

この解決に「店舗ドックベースの導入が欠かせない」と同社はアピールする。10億円の緊急メンテ費用は1年後には最低でも11億円になる。3割削減が可能な店舗ドックベースを導入すれば11億円の7割に相当する7.7億円に下げることができる。店舗ドックベースの費用(1億円)を入れても8.7億円となり、2億円超のコスト削減が見込める。

こうした試算を証明するのが今回の実験目的だ。同社の高倉博社長は「結果待ちという様子見の企業は少なくない。コスト削減効果をしっかりと裏付けることで顧客を新規に獲得し、顧客の利益確保に貢献したい」と意気込む。店舗ドックベースの価格は店舗サイズにより異なるが平均7万円という。

同社は24年12月、事業の主軸を看板ドックから店舗全体の健康寿命を延ばす店舗ドックに切り替えた。それに伴う「生みの苦しみ(先行投資)」もあって25年9月期まで2年連続で赤字経営を余儀なくされた。しかし26年9月期は、長男ともいえる看板ドックが好調に推移。年率20~30%の成長が見込めることから黒字転換を見込む。サステナブル(持続可能性)につながる予防メンテを前面に打ち出して市場開拓に注力、海外展開とともに上場も視野に入れる。

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