株式会社タナベコンサルティング 上席執行役員 上場支援コンサルティング担当/ホールディングス・グループ経営担当   中須 悟氏

M&A・上場支援で中堅企業育成 ~ビジネスドクターとして専門性と総合性を発揮~

経営者に寄り添う「ビジネスドクター(企業を救う医師)」を自負するタナベコンサルティンググループ(TCG)。専門性の高いコンサルタントが集まる総合病院として経営者のどんな悩みにも一気通貫で応えてきた。純粋持株会社(TCG)傘下のタナベコンサルティングで、上場支援を担当するのが上席執行役員の中須悟氏だ。「中規模企業を中堅企業に格上げする。そのために有効なのがM&Aであり上場だ」と強調。そのうえで「世界で稼げる中堅企業を育成する」と意気込む。

――経営コンサルティングとしての強みは
「ターゲットはトップマネジメント(経営者層)」をポリシーに、経営者・CEO視点で戦略や組織を多角的に捉え、本質的課題を解決できる経営コンサルティング領域を展開している。経営者にしかできない唯一の仕事は決断だ。それを支えるのが我々であり、創業時から経営者の思いを我が事のように捉えて伴走支援してきた。経営者が抱える課題を解決するため、一人ひとりが専門性を高めながら、チームワークによって高い総合性を発揮するコンサルティングを手掛けてきた。経営戦略の策定から経営オペレーションの実装・実行までを一気通貫で支援できる「チームコンサルティング」が唯一無二の価値といえる。
――コンサル領域は広いということか
5つの領域で展開している。成長戦略の立案・推進を担う「ストラテジー&ドメイン」、DX戦略の立案・実装を支援する「デジタル・DX」、人的資本経営の実装を推進する「HR」、企業価値向上を実現する「ファイナンス・M&A」、ブランドの本質価値を高める「ブランド&PR」だ。これら5領域は経営者が悩む経営課題であり、我々はそれらをすべてカバーしている。
――このうちファイナンス・M&A領域が中須氏の担当になる
企業を次世代につなぐ「事業承継M&A」や、上場を目指し成長を加速させる「上場支援」などを手掛けてきた。中堅企業を育成するのが狙いだ。そのためのツールの一つがM&Aだ。国内市場が人口減少で縮小する中、1社単独によるオーガニック成長(自社の経営資源だけを活用した事業成長)は難しい。また、成長の伸びしろがない企業は廃業に追い込まれかねない。事業承継のため売却するのも手だ。買い手があればM&Aが成立しグループ企業の一員として事業を存続させることができる。一方で、買い手はM&Aにより企業を寄せ集めればいいわけではない。それは成長ではなく膨張にすぎず、シナジー効果を創出することはできない。必要なのは、ポートフォリオの再構築を目的とした成長戦略M&Aだ。
――上場については
成長には上場が重要なファクターと言える。大きくなってから東証グロースに上場するだけではなく、それを待たずにPRO Market(東証が運営するプロ投資家向け市場「TPM」など)にまず上場するのも検討すべきだ。上場企業としてのステータスを得ることができるからだ。厳しいガバナンスが求められるので取引先、金融機関、優秀人材からの信頼を高めることができ、これにより売り上げが増え、人材の採用・定着につながる。M&A戦略を描くこともできるので、中規模企業から中堅企業へのステップアップを果たせる。
――経済産業省も中堅企業の育成に積極的だ
2024年の改正産業競争力強化法で、中堅企業者が法的に定義された。さらに25年には、売上高100億円を目指す意欲的な中小企業を支援する「100億宣言」が開始された。我々の顧客の中にも宣言を公表した企業がいるので、成長戦略・事業承継M&A、上場支援などで売り上げ100億円の達成に向けてサポートしていく。
――顧客の中にはすでに売上高100億円超の企業も多いのでは
TCGは、1957年創業で来年が70周年となる。このため、顧客の中には戦後創立の企業も多い。高度経済成長とともに事業規模を拡大し、売上高が100億円を突破している企業も少なくない。今では成熟企業といえるが、1990年代のバブル崩壊後の「失われた30年」は創業第2世代が担い、今は第3、4世代に引き継がれている。再び成長軌道に乗せることを考えたり、そのために上場を目指したりする世代でもある。成長意欲が旺盛な企業はM&Aを仕掛けて成長に挑む。我々の出番ともいえる。中堅企業の支援が我々の役割であり、M&Aを活用して中堅企業の数を増やしたい。
――海外進出を目指す企業に対しては
技術をもつ中規模企業には世界から声がかかる。町工場でも世界に通じる技術を持っていれば世界から注文が来るし、取引も広がる。世界で戦えるわけだ。私は「2つのGが重要」と言っている。Global(グローバル)とGroup in(グループイン)だ。世界に打って出られる独自技術に特化した企業は単独で展開できるが、それが難しければM&Aによるグループインで世界展開を目指せばいい。
――今後の展開は
TCGオリジナルをさらに追求していく。創業時から高度専門医療を提供できる総合病院にこだわってきた。どんな経営者ニーズにもチームコンサルティングで応える、これを唯一無二の価値としてトップマネジメントの決断を支えていく。「ターゲットは中堅企業層」を明確に打ち出しているので、日本から世界に出ていく中堅企業のサポートに尽力する。日本企業を強くしたい、海外で稼げる企業を増やしたい。そのためにも顧客に対し「世界に出よう」と呼び掛けていく。
――TCGの組織力、人材力の強化も欠かせないのでは
TCGとして、オーガニックとバランスを取りながらM&Aによりグループイン企業を増やす。一方で、グループの中核である我々もビジネスドクターの育成に注力。新卒採用は入社3年をめどに専門性を磨き上げ、中途も随時採用して専門集団を担う即戦力として活躍してもらう。

中須 悟
株式会社タナベコンサルティング 上席執行役員 上場支援コンサルティング担当/ホールディングス・グループ経営担当

「経営者をリードする」ことをモットーに、企業の財務収益構造や組織体制、資本構成を大局的かつ戦略的に改革するコンサルティングを得意としている。また上場・中堅企業における事業承継、ホールディング経営推進のスペシャリストとして、建設業、物流業、不動産業、製造業、小売・サービス業など幅広い業種での実績があり、全国で活躍中。著書に『オーナー経営者のためのホールディング経営』(タナベコンサルティング)『ホールディング経営はなぜ事業承継の最強メソッドなのか』(ダイヤモンド社)がある。

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