株式会社SOBAプロジェクト 代表取締役社長   福本朋哉 氏

エンジニア集団の開発力発揮 上場親会社とのシナジー効果で成長

ビジュアルコミュニケーション技術に強みを持つSOBAプロジェクトは2025年8月、売れるネット広告社グループに株式譲渡し傘下に入った。エンジニアリング集団として同グループが目指す「EC×AIで売上高100億円達成」の一翼を担う。新たな牽引役を任された福本朋哉代表取締役にシナジー戦略などについて話を聞いた。

――SOBAを買収した狙いは
10年設立の親会社は広告代理店(ネット広告)とコンサルティングが祖業。23年の上場後、自ら新規事業に進出したり、M&Aを駆使したりしてネット通販や越境ECなどの事業を始めた。しかしグループにソフトウエア開発会社を持っておらず、エンジニアがいないという課題を抱えていた。
――そこでSOBAに興味を寄せた
SOBAは創業者の乾和志氏のもと、約20年にわたりエンジニア集団としてシステム開発・運用に取り組んできた。しかし営業が苦手でスケールアップできず、乾氏も経営手腕に限界を感じていた。SOBAを買収すれば親会社が抱えるシステムエンジニアの問題が一気に解決する。一緒にサービスを展開していくことも可能だ。
――親会社の業績向上にも貢献できる
親会社は昨年12月、M&Aなどを活用して成長を加速し、28年7月期に売上高100億円を目指す中期成長戦略を策定した。SOBAとのシナジー効果を発揮すれば目標を達成できるはずだ。これによりグループ価値の向上、企業価値の最大化につなげたい。
――どんなシナジーを期待しているのか
AIの取り込みだ。システム開発にAIを組み込まないと技術の進化についていけない。SOBAが傘下に加わったことでグループ全体のAI化が一気に進む。SOBAの強みといえるが、これによりグループ全体のAI化の先陣を切れる。将来を見据えると面白い展開が期待できる。
――そのためにまず取り組むことは
1年かけて現場にSOBAの考え方、技術を落とし込む。時代が変わる転換期を迎えているが、20年間培ったシステムの開発・運用、サービスはしっかり機能している。グループ各社がもつリソースを生かしながら融合させていかなければいけない。グループ全体でどう活用していくかが課題だ。
――シナジー効果は表れているのか
私はグループの1社である「売れるAIマーケティング社」の社長も兼ねており、SOBAの技術をAIマーケティングに生かしていく。実際にコーディング作業の80~90%はAI化することができた。これにより余った時間を新規サービスの開発に充てている。社員一人一人の知見も高まり、組織としても新規サービスを多く立ち上げていく。SOBAとしてもゼロイチの案件の開発スピードを速める。SOBAは新しいものをつくるエンジニア集団なので1週間に1本、年間で50本を目標にする。それくらいのスピードにしないと取り残される。
――乾氏はどのように関わっているのか
顧問として参画してもらっているが、経営のプレッシャーから解放されたかのようにAIにはまっている。ありがたいことに、私のほうからお願いすることもなく、エンジニアの原点に戻れたことを誰よりも喜んで開発に積極的に取り組んでいる。
――エンジニア集団の人材掌握については
乾氏が20年間かけてつくりあげた組織なので、ベースとなる技術力を蓄えており心配していない。新しいものへの感度、アンテナ、スピード感は平均値以上だ。しかし、営業機能はなかった。グループシナジーを発揮すれば売り上げを増やせる。「しっかり開発して、しっかり売る」ことが求められており、どれだけ売れたかが問われる。
――コミュニケーションの取り方は
母体はマーケター集団だが、システムの世界やエンジニアの言葉を理解できる。社員はテレワークだが、私は月1回ペースで本社(京都市)に行っており、その際に関西圏のスタッフと会っている。加えて年に何回か、私も好きなキャンプなどイベントを開催して直接会う機会を設ける。5月中旬には、乾氏のプライベートキャンプ場(千葉県)に集まる予定だ。
――今後の展開については
エンジニア集団なのでモノをつくる楽しさ、喜びといった価値提供はぶれずに進めていく。技術のコアは時代とともに移り変わっても、新しいものに取り組むというエンジニアの社会的価値は変わらない。20年前の立ち上げ時にはZoomやMeetといった高品質なウェブ会議やビデオ通話ができるクラウドサービスはなかった。SOBAは時代を先取りしてきたといえる。
――こうした先進性は大事にしたい
そうだ。次の社会的価値を生み出せるからだ。ただエンジニアといえどもマーケティング目線を持つことが重要であり、社会に出てユーザーニーズに敏感になる必要がある。(野球でいえば)打席に立ってバットを振ることだ。バットを振らないことにはボールに当たらない。つまり新規システム・サービスを生み出せない。私としては時代を先取りするような面白いビジネスに携われることを楽しみにしている。

福本 朋哉 (ふくもと・ともや)
株式会社 SOBAプロジェクト 代表取締役社長

1977年東京生まれ埼玉育ち。
早稲田大学卒業後、映像制作やWeb制作の現場を経験したのち売れるネット広告社入社。
2024年7月から売れるネット広告社グループのAI責任者。
売れるネット広告社グループ株式会社 取締役
売れるAIマーケティング社株式会社 代表取締役社長

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