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株式会社TSP 代表取締役社長   小川 達也

防犯・監視カメラをワンストップで提供 顧客第一で28年までに売り上げ倍増目指す

防犯・監視カメラシステムを扱うTSPは、顧客の要望をもとに提案から設計・施工、アフターフォローまで一貫して手がける。「現場に強い、現場に寄り添う」という顧客第一主義が受け入れられ業績は伸長、今後の規模拡大に自信を深める。小川達也社長は「2028年までに従業員、売り上げとも現状の2倍を目指す」と意気込む。

――商社やメーカーとは違う強みは
我々は高い技術力と豊富なノウハウを備えた防犯・監視カメラシステムのプロ集団だ。自社に施工部門を持ち、工事スタッフとSE(システムエンジニア)を抱える。パートナー会社も全国にいる。このため顧客の要望、例えば目的や予算、設置場所に応じた最適なセキュリティーシステムをワンストップかつスピーディーに提供できる。商社やメーカーは工事などをアウトソーシングするので価格は高くなる。
――カメラの取り扱いも多岐にわたるのか
お客さま一人一人にあわせて最適なカメラシステムを構築するため、取り扱いメーカーを絞っていない。お客さまから『あのメーカーのカメラを扱って』と依頼されることも多いので、ラインアップも多彩になった。一方で価格勝負のときに備えて、高品質で価格はリーズナブルなOEM商品『TSPカメラシリーズ』を用意している。
――新商品も相次いで投入している
オリジナル商品として緊急車両向け車上360度カメラを23年4月に発売した。パトカーや消防車などの車上に立体射影方式の俯角レンズを搭載、画像のゆがみが少なく、カメラの側面360度(全周)の高画質パノラマ撮影を可能にした。これは世界初の技術だ。俯角があるのでカメラより低い位置(マイナス21度)も撮影できるし、上空も撮影できる。またリアルタイムの映像が見たいという声に応えるため12メガピクセルの解像度を誇る。6月15~18日開催の『東京国際消防防災展』に出展したが、来場者は興味を示しており、手応えを感じている。
――このほかの期待の商品は
モニターレコーダーに最大4台のワイヤレスカメラを接続できるWi―Fiカメラシリーズ『TSP WCS301P』がある。カメラは200万画素のフルハイビジョン(1920×1080)対応で、約20日間の録画が可能だ。近赤外線LEDを搭載しており、夜間や照明のない場所でも撮影でき、自宅や店舗の監視に最適だ。月間200~300台売れている。顔認証入退管理『KaOpass(カオパス)』も期待の製品だ。あらかじめ顔写真を登録することで、誰がいつ通過したかというログを取ることができる。また顔認証と同時に体表面温度を測定、異常時には警報で知らせることができる。従業員やお客さまの健康チェックに使える。

モニターレコーダーに最大4台のワイヤレスカメラを接続できるWi―Fiカメラシリーズ『TSP WCS301P』

――分析カメラを活用したソリューションも提供している
カメラは人手不足の解消、安全対策、コストダウンなど様々な問題を解決する力を持っている。その一つがマーケティング用クラウドサービス『ViPORe(ヴィポレ)』で、カメラで集めたマーケティングデータを集計しポート表示し配信する。人数や属性(性別・年齢)、エリアごとの滞留情報などを一括で分析・管理することができる。混雑状況が分かるので、適切な人員配置や営業時間の判別のほか、商品配置や棚割りの参考に使える。人が密集しない環境づくりということでは、混雑状態案内サービス『Occupancy Manager(オキュパンシーマネージャー)』がある。カメラがカウントした人数をもとに施設内の混雑状況や入店可能人数をモニターなどに表示するサービスで、リアルタイムで店内の状況を把握でき、人数データはマーケティングツールに活用できる。
――顧客に寄り添う姿勢が豊富なラインアップにつながっている。ソフト面ではどうか
お客さまの要求は複雑でイレギュラーなものが少なくない。『こんなものはある?』『こんなこともできる?』といった具合で、多彩な製品に加え、ソリューション対応もわれわれの強みだ。お客さまの要望を聞き、提案から保守までワンストップで対応する。そのために営業、SE、施工スタッフが連携する。営業が現場に行ってニーズを聞き、設計が複雑ならSEも同席する。現場が大規模なら施工スタッフも加わる。3つともそろえているところは少ない。
――防犯・監視カメラ業界の競争は激しいのでは
カメラメーカーは海外を含めて200~300あったが、ここ数年で100~200社が撤退したり倒産に追い込まれたりと淘汰が進んだ。ミドルレンジのメーカーがいなくなり、ハイエンドとローエンドに2極化した。中国メーカーもかつての『安かろう、悪かろう』から、今や『安くても高品質』に代わり、日本メーカーにとって手ごわい相手だ。
――こうした中での生き残り戦略は
価格しか見ないお客さま、カメラに詳しく『この機能で大丈夫なので安い方がいい』というお客さまは多い。我々はワンストップ対応できるので、それだけ工事費を安くできる。つまりトータルで勝てる。
――将来展望は明るい
売り上げはこのところ、6億~8億で推移している。防犯・監視カメラは性能向上やネットワーク化とともに、新たな市場を創出している。物騒な世の中でもあり、安心・安全な地域・社会の発展に貢献するのが我々の使命だ。一方で、カメラを使ったデータ解析を活用して店舗の売り上げ増に直結するマーケティングや商品管理への利用も促していく。企業の安全対策や工場の無人化対応にも寄与できる、新たな価値創造で5年後の28年までには売り上げを現状の8億円から16億円に、従業員も36人から72人と倍増を目指す。
小川 達也(おがわ・たつや)
株式会社TSP 代表取締役社長

1969年東京生まれ。情報通信の分野において、回線の販売営業・通信設備工事・施工管理等の経験を経て、2008年に独立。

その経験を生かし、自社に施工部門をもつ「現場に強い」会社として、提案から設計・設置工事・アフターフォローまで、ワンストップでスピーディーな対応を実現しています。

さらに近年、防犯・監視カメラは性能向上やネットワーク化とともに、新たな市場を形成しています。弊社も防犯にとどまらず、店舗の売上アップに直結するマーケティングや工場における無人化に向けたソリューションのご提案など、新たな価値の創造に挑戦しています。

趣味は、旅行・スポーツ観戦(特にラクビーやラクロス)。

Webサイト: https://www.tspco.jp/

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