ピーエムグローバル株式会社 代表取締役 木暮 知之

公開日:2022年9月21日

海外企業との協業をマネジメントし"世界の懸け橋"に

経済社会のグローバル化とデジタル化の進展で、日本企業も海外企業との協業でさまざまなプロジェクトを手掛けるようになってきた。特に情報技術(IT)関連では、欧米発の先進的でユニークな技術が次々と登場。日本企業にとっても、そうした技術を有する企業との協業、協働が活発だ。ただ、国際協業には課題も多い。企業文化の違いから十分な成果が得られないことも少なくない。こうしたプロジェクトを円滑に進めるための支援サービスを展開するピーエムグローバルの木暮知之代表取締役に、国際協業の現状や展望などを聞いた。

――国際的なIT関連の開発プロジェクトなどに多数参加されてきましたね
われわれは日本企業と海外のITベンチャーなどの間に入ってプロジェクトをマネジメントしてきました。日本の自動車メーカーや製薬会社、商社などが求める開発会社を広く世界で探すとともに、プロジェクトを始めた後は開発会社やベンダーを管理します。アジア・日本企業と欧米企業は、企業風土や文化にはじまり、意思決定や業務のプロセスなどが大きく異なっています。このギャップを埋め、協業の成果を導き出すための支援が最大の役割です。
――自動車産業は100年に一度の大変革期にありますし、今後は電動化などのほかにも情報通信機能を有するコネクテッドカーや自動運転車の開発が大きなテーマになっていますね
そういう意味でも、自動車のデジタル化が求められています。ところが、日本メーカーにはもともとも社内に自動車のIT化を進めるための専門部署がありませんでした。専門の技術者も少ないことから、プロジェクトを進める上では技術面の知識や情報の共有が必要です。もちろん、英語でのコミュニケーション力も要ります。その上で、プロジェクトを進めるわけですが、ここでは企業の考え方の違いが如実に出てきます。この違いをどう埋めあわせて折り合いをつけるか、が腕の見せどころではあります。
――知識や言葉はともかく、仕事の進め方が違うのは難儀ですね
たとえば、日本企業は要件や仕様を決め、それに基づいて設計し、テストで機能を確認するといった工程を順番に行うウォーターフォール型と呼ばれるような開発が多用されています。これに対し、欧米のITベンチャーなどでは仕様や設計の変更があることを前提に、当初から厳密な仕様は定めずに開発していくアジャイル型が一般的です。この両社が一緒に何かのシステムをつくるとなると、工程や工期の管理が難しくなります。お互いの仕事の進め方に対する理解が伴わないと、トラブルのもとにもなり、成果も出にくくなります。われわれは、そんな両社の間で潤滑剤の役割も果たします。
――経済のグローバル化は今後もますます進むと思いますが、今後の展開や展望はいかがでしょうか
ピーエムグローバルはこれまで、紹介などで仕事を受注してきました。このため、営業が苦手な面があります。とはいえ、今後も社会や企業のDXは大きく進んでいくことになると思いますので、これからは社内でプロジェクトを構想し、われわれが培ってきたノウハウも加味した上で、より広くアピールするなどの取り組みも進めていきたいと思います。
デジタル化でオンライン会議なども手軽にできるようになり、国境や都市と地方の格差も薄れています。オンライン会議は面談に比べるとやり取りできる情報がまだ少なく、コミュニケーション上は改善の余地も多いですが、360度カメラなどの活用で補える場面も増えています。こうしたデジタルのメリットも最大限活用していきたいと思います。
―― 一方で、4月にはグローバル・コネクター協会がスタートしましたね
日本のグローバル化はある意味では遅れています。この状況を打開するための知見を持ち寄り、人材を育成する必要があると考えました。協会では、そういう取り組みをリードできる人材に理事として参加していただくとともに、世界との懸け橋=グローバル・コネクターとして活動する人材の育成も考えています。
例えば、ビジネスの知識や外国語、コミュニケーション能力などを有する“認定グローバル人材”といった資格試験の創設や、研修会、海外企業と日本企業のマッチングイベントなどを通じた交流会、アドバイザーの紹介などを進めていきたいと思います。これはピーエムグローバルの事業として行うものではありませんが、多くの“グローバル・コネクター”とともに世界の懸け橋を目指していきます。

一般社団法人 グローバル・コネクター協会
https://global-connector.or.jp/

木暮 知之(こぐれ・ともゆき)
ピーエムグローバル株式会社 代表取締役
上智大学卒。豪ボンド大学経営学修士(MBA)。カーネギーメロン大学エグゼクティブAI履修。東京銀行(現三菱UFJ銀行)にて協調融資による資金調達や投資顧問などの業務を経験。ITコンサルタント会社米セピエントの日本法人立ち上げメンバーとして多くのe-businessやデジタルブランディングに従事した後、サイエント社でも多くのグローバル企業のプロジェクトを推進した。2005年ピーエムグローバルを設立。製造・サービス・IT・金融などの企業でITプロジェクトの管理・推進に関わった。外資系企業の技術幹部サポートや米系保険会社の日本文化アドバイザーを務め、企業研修にも精通。学校教育へも活動の場を広げている。

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