株式会社ブランディングメッセージ 代表取締役 宮川 則子

公開日:2022年4月20日

人や事業のブランディングとその発信を支える

新型コロナウイルス禍は経済社会のデジタル化を強力に後押しした。デジタルネットワークを介した通信販売やテレワーク、各種のオンライン予約などは一段と普及し、人と人とが対面しなくても事が足りる環境が整いつつある。しかし、いくらデジタル環境が発展しても、主役は引き続き人だ。ウェブ制作を手掛けるブランディングメッセージの宮川則子代表取締役は、ウェブを通じて人を魅了し人を感動させるメッセージの発信を支援することで、人と人との支え合いや共感を生み出そうとしている。

――起業してから14年目になりますね
はい、もともとは音楽大学を卒業し、商船会社に勤務していました。1993年に退社し、それ以降はいろいろな事業を手掛けてきました。音大出身だったこともあり、まずは音楽教室と演奏家をマネジメントする事務所を始めました。音楽教室はピアノとコーラスが中心で、150人ほどの生徒も集まり新しい音楽を生み出していく仕事に取り組んでいました。
同時に、将来有望な若手演奏家にフォーカスしたコンサートなども開催してきました。
演奏家支援においては奏者が活躍する機会も少ないため、コンサートなどの機会を絶えず創出することが必要でした。しかし、コンサートを開催するにも費用がかかりますので、ファンを増やし、チケットを購入してもらう動線を作る必要があります。
社会的基盤づくりが必要不可欠な、若手の男性の奏者を支援するために「メンズクラシック」というブランド名で差別化を計ったコンサートシリーズを企画しました。
幸い、前述の音楽教室の40~80歳代の女性の生徒の方々が多数コンサートを鑑賞するなど継続的に支えてくれたことで、音楽事務所業も軌道に乗りました。
この「メンズクラシック」は登録商標を取得し、コロナになるまでは継続をバネにしてきました。若い音楽奏者には支援が必要ですので、このような取り組みが必要とされています。とは言っても、クラシックのコンサートですので、参加者は多くても数百人規模。
次第に、リピーターになってもらうための工夫が求められるようになりました。
――音楽事務所としての活動が中心的になってきましたね
このころからは、コンサートなどの来場者にまた来てもらおうということで、ノベルティとして、ブランド力を高めるためにコンサートシリーズのロゴなどを金属箔で型押しするいわゆる“箔押し”を施したオリジナルグッズを配布するようになりました。
しかし、手作りで箔押ししたグッズを制作するのは大変です。少ないといっても数百個に及ぶこともありましたし。とはいえ、この箔押しはお客様には大変好評でした。
次第に、箔押しを仕事として依頼されることが増えたこともあり、箔押しを事業として展開するための設備投資をはじめました。
その後、月日を経て熱転写やインクジェットなどの印刷機を導入するなど体制も整えました。
そんな折、主人の病気が判明します。このことが、人生そのものを揺るがす大きな転機になりました。
――新事業を本格化する矢先ですね
はい、これを機に、主人の病状を考えながらの生活になりました。同時に、新事業を始める準備も整いつつありました。
・・とはいえ、今後、自分で事業に関することを何もかもするのは無理だろうと考え、個人事業主としての「個人」にマンパワーを集めるのではなく、法人化して「法人格」にマンパワーを集約する形を選びました。
「スタッフを集め、任せるところは任せよう」と。
こうして2017年、法人としての株式会社 ブランディングメッセージが発足しました。
会社の定款には、音楽事務所関連のほか箔押し関連、そしていろいろと利用することが多くなっていたウェブ制作を加えました。
――社名にはどんな意味が込められているのでしょう
音楽教室でスタートして以来、いつも誰かの支援に取り組んできました。自分が前面に出るよりも、裏方となり誰かを支援することに向いている、と思うことも多かったと思います。
そんな中で、私が手掛けてきた支援は「ブランディング」を核としたものだったとも思っています。
音楽教室や音楽事務所では、生徒や奏者を育てるとともにその人たちをブランド化して育て、売り込んでいかねばなりません。
箔押しでは、企業のノベルティーグッズの製作などを通じ、社名や店舗名、サービス名などの事業のブランド化をお手伝いしてきました。
これが、自分が手掛けていく事業の根幹だと考えたからです。
――いよいよこれから新たなスタートですね
一方で、法人化してからは主人の看病が続きました。主人が亡くなってからはなにも手につかない日々が続きました。それでも、これからは自分で生きてゆかねばなりません。
会社も育てなければなりません。次第にそう思うようになりました。
そこからは大きく何かが変わり始めました。
2020年に再起をかけて事業を再開しましたが、新型コロナウイルス禍でコンサートができないなど多くの制約や変化に見舞われました。でも、あきらめるわけにはいきません。
これを機に国産のウェブツールを活用し、これまで密かに温めてきたウェブ制作事業の本格化を目指しました。
ホームページ制作サービスの“TSUNAGUwebsite”はこの時にスタートしたものです。
今後も、ウェブ制作事業を軸に展開していく考えです。
でも“ウェブの制作屋”といわれるのには抵抗があります。
さまざまな人や会社の歴史を刻むこと。 ウェブを閲覧する人に画面を“見せる”とともに
事業を“魅せる”こと。
これは、弊社がこうした活動を通じて「多くの人や事業の成長を支援する会社」であり続けたいと思っているからです。事業は変化してきましたが、本質は変わっていません。
自分もそうであるように、今後は女性の起業家を支援したいという思いがあります。
女性には結婚や出産、(離別や死別)など、人生に大きな転機がいくつもあります。
そうした経験を活かしながら、人生の中では本領を発揮できる期間というのがあります。それを大切にするとともに、その期間を起業という形で活かそうという女性を支援していきたいと思っています。
起業には“勇気”や“根気”に加えて“歓喜”も必要です。
その“歓喜”を生む女性起業家支援を今後のビジョンとして描きながら、私も精進していきます。

東京都新宿区生まれ。音大卒業後、商船会社の総務部に勤務。
退職後、音楽講師、音楽事務所経営を経て、
2015年、箔押し印刷、彫刻加工企画制作の「BRANDING MESSAGE(ブランディング メッセージ)を立ち上げる。(個人事業主)
2017年、企業・団体様のノベルティ制作会社として法人化。(株式会社ブランディングメッセージ)
2020年、自立・成長型のホームページ制作サービスを開始。
2021年、ブランディング構築のためのウェブ制作を主軸とした事業モデルに転換。
現在に至る。

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