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橋本会計事務所 橋本政樹氏
「金融機関(銀行)」「税務署」「投資家(VC)」の3つの外部評価視点でサポート

取材日:2014年3月19日


橋本会計事務所 橋本政樹氏

事業についてお聞かせください
 橋本会計事務所では「コスト削減」「リスク軽減」「最適キャッシュフロー」の3つの視点からのアドバイスを心掛け、企業の税務サポートをさせていただいています。

 経営相談やデータ入力、節税対策、資金繰りなどの一般的な業務に加えて、スタートアップからベンチャーまでの成長支援とセカンドサクセスと呼んでいる皆さまの相続・贈与・事業承継・資産管理のアドバイスも行っています。

 現在は企業のスタートアップに力を入れています。利害関係のないころからお付き合いをはじめて、成長過程に合わせて銀行視点、税務署視点、投資家視点を意識した税理士としてのサポートを提供。上場を意識するステージに入ると、一旦卒業させていただき、監査法人や証会券社、専門の会計士などにバトンタッチ。そして上場したあかつきにはわたしが顧問になるというシナリオです(今のところ名誉顧問。笑)。

 他には、大学で兼任講師として、社会統計、財務分析といった科目を担当させていただいています。中でもデータマイニングに力を入れており、こういう傾向にある企業はこういう結果になることが多いというような、投資的視点による判断を統計的に出すという内容が特徴です。投資関連、企業分析、マーケティングリサーチなど、他にはない実践的な授業になっているので、就活にも役立つと好評を得ているようです。
起業のきっかけを聞かせてください
 学生時代から、市場の動きや企業の盛衰を見るのが好きで、そのため金融市場の世界へ営業として入りました。当初は経営者・投資家の皆さまの考えかた、興味のポイントなども分からず、質問されても即答出来ないことが本当に多くありました。お客様の要望に応えるには、広く情報を集めて深く分析するという作業が必要で、リサーチ業務に興味を持ち始めたのがちょうどこの頃です。またある時、証券会社に税務調査が入り、その際折衝担当者として対応したことがありました。その時初めて税金・税法というものの面白さ・怖さと、税務署・国税局という摩訶不思議な世界を知りました。

 このような興味・経験の延長線上で、一旦営業実務から離れて大学院に通う決断をしました。大学院でコーポレート・ファイナンス(企業財務)を学び、一方で会計事務所での実務の下積みと資格勉強をしながら、財務・税務を徹底的に学びました。大学院と会計事務所の往復を8年、独立して15年で、現在に至っております。またご縁もあって、大学でもいくつかの授業を任せていただいています。
事務所の強みについてお聞かせください
 企業の成長過程に合わせて、その人、その事業にとってのベストな対応をオーダーメイドで提案している点が強みになるかと思います。税理士の業務範疇を超える広域な課題には、いつも相互協力している弁護士、司法書士、会計士、不動産鑑定士といった士業仲間と連携を取ることでワンストップでの対応を可能にしています。

 また、事業案件や資金管理などの慎重な経営判断を必要とする場合には「このような判断をするとこれくらいの金額になります。このやり方だったらここまで落せます」など、最低3パターンの提案を出させていただいています。提案は1つ、多くても2つが一般的だと思いますし、2つ以上は依頼されないと出さないケースがほとんど。言われなかったからやらない、聞かれなかったから言わないというのではなく、メリットとデメリットをきちんと説明した上で、納得のいく判断をしていただきたいと思って、必ずいくつかの提案を出させていただいています。これが他の士業の皆さんとの違いで一番の強みではないかと思っております。
力を入れている分野はありますか
 ビジネス戦略的な課題を持ちかけられることが多くあります。例えば「2階建ての倉庫をそのまま企業に貸したらいいのか、それとも手を入れてから貸したらいいのか」「その場合どのくらいお金がかかって、初期投資は何年目くらいで回収できるか」といった経営判断など。このような場合も、売上を大きくする案と節税につなげる案、そして長期的な視点での判断などいくつかのパターンをお出しします。お客様自身もいくつかの選択肢が返ってくることを期待して「他に何か良い案を出してほしい」というような依頼をよく受けます。この話をすると、びっくりされることが多いです。実際多くの場合答えが1つということはありません。特にセカンドサクセスの方からすれば「節税対策としてだったらどうすればよいのか?その案もいくつかあるだろうから知恵を貸して欲しい」という感じですね。もちろんお客様によっても変わりますが、成功されている方ほど、長期的なビジョンで物事をとらえていらっしゃるので、キャッシュフローの分析だと5年、10年後でどう変わるかというような、ファイナンシャル分析とマーケティング分析をするのは当たり前だと思 っています。私の興味と重なるこの部分に期待される方も多く、実際にいくつかの選択肢を出し、メリット・デメリットを説明することで納得のいく判断のサポートができ、大きな満足を提供できていると思っています。
今後の展開
 現在「スタートアップからベンチャーまでのサポート」と「セカンドサクセス」と呼んでいる、成功して資産を持っている方々に相続、贈与、事業承継、不動産管理のアドバイスを中心としています。この2本の柱に加えて、3本目の柱が欲しいと考えています。

 その第3の柱として考えているのが、大学の授業で行っているデータマイニングです。POS(ポイントオブセールス)やマーケティングリサーチのビジネス化を検討しています。これまでに何件かのお客様のデータ解析をしてきた経験があり、例えば整骨院のお客様の場合、何曜日のどの時間にどういうお客様が来ているか。その現状にどう対応すれば効率のよい経営ができるのかを、SPSSなどの統計ソフトを使って分析し、ご提案差し上げるというビジネスです。

 今は誰にでも簡単に低価格でPOSデータを取れる時代になっています。このビジネスをサポート側としてではなく事業としてやっていきたいと考えています。

 サイバー会計システム、情報ネットワークの導入により、会計事務所に費やすコストは確実に低くすることが可能になっています。また、事業案件や資金管理などの高度な経営判断を必要とする場合も、いくつかのシミュレーションを行い最適な選択をサーチします。そしてそこにデータマイニングのサービスを提供することで起業サポートからマーケティングサポートでの成長支援。そしてセカンドサクセスのサポートと、はじめから最後まできっちりお手伝いさせていただける体制を整えて、皆さまをがっちりサポートさせていただくことを目標にしています。

 私自身、元々は証券マンですし、虎の子投資も会社経営もしているので、自分の事業で成功を収めて、資産管理をどうするかといった問題に自分自身向き合っていけるようになることもこれからの夢の1つですね(笑)。

略歴

橋本会計事務所 橋本政樹氏

昭和37(1962)年 福岡市生まれ
昭和60(1985)年 日興証券株式会社入社
平成2(1990)年 明治大学大学院商学研究科入学
平成3(1993)年 佐藤・実藤会計事務所入所
平成10(1998)年 橋本会計事務所開業

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