【挑む】Sansan・寺田親弘社長 名刺をネット管理 社内で情報共有

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Sansan・寺田親弘社長

 仕事で交換する機会は多いのに、ホルダーにしまったままになっていたり、行方不明になることすらある名刺。そんな名刺を簡単にデータ化し、ネット上で管理してもらえるのがSansanの名刺管理サービスだ。利用メリットは管理の手間を省くことだけではない。寺田親弘社長は「『営業を強くする』がコンセプト」と、もう一つの利点を強調する。

--サービスの仕組みは

 「当社の貸し出したスキャナーに名刺をセットし、タッチパネルでユーザー名と名刺交換日を選ぶだけでその情報が読み込まれ、ネット経由でわれわれのセンターに集まる仕組みだ。これまで画像から文章や言葉を抽出する技術は精度が低く、実用に堪えなかった。当社は画像認識技術にオペレーターのチェックを組み合わせることでほぼ100%の読み取り精度を実現している」

 

--どのぐらい管理の手間を省けるのか

 「ある調査で月20~30枚の名刺をもらう営業マンは、2~3時間を名刺管理に費やしているとの結果が出た。当社のサービスを使えば軽く10分の1にできる」

 

--名刺管理で営業力が高まるとはどういう意味か

 「名刺は企業にとって非常に重要な資産だ。名刺にはその人の名前や所属部署などの情報が網羅されている。当社のサービスはスマートフォン(高機能携帯電話)やパソコンからアクセスし、簡単に検索や閲覧・編集ができる。社内で情報を共有すれば別の社員が今日会ったというような情報も入手できるし、交換した相手の企業の人事異動情報も配信している。情報の有効活用が営業力を高める」

 

--実績は

 「開始して6年たつが、1500社が利用している。ただ、市場のポテンシャルからすればほんの一部にすぎない。会社にコピー機が必ずあるように、文化として(名刺読み取りスキャナーを)使うようになれば、桁は2つも3つも違ってくる」

 

--海外展開も視野にある

 「年内に米国でサービスを始める。米IT大手のセールスフォース・ドットコムと資本提携し、セールスフォースが当社の第三者割当増資を引き受けた。米国のIT市場は日本の4~5倍あり、日本人ほど名刺を使わないといってもかなりの量になる。一方、個人向け名刺管理サービス『Eight』も年内にアジアで提供を始める。夢はネットで名刺管理するのが当たり前の世界を作ることだ」(井田通人)

【プロフィル】寺田親弘
 てらだ・ちかひろ 慶応大環境情報卒。1999年三井物産入社。2007年5月に同社を退職し、4人の仲間とともにSansan設立、社長に就任。36歳。東京都出身。

                   ◇

【会社概要】Sansan
 ▽本社=東京都千代田区九段南4-7-15 JPR市ヶ谷ビル6F
  ((電)03・6821・0033)
 ▽設立=2007年6月
 ▽資本金=3億5800万円
 ▽社員=100人
 ▽事業内容=名刺管理サービスの提供

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