□スマホアプリ作成「アプスタ」
スマホアプリ制作サービス「アプスタ」をPRする、キングジムの宮本彰社長(左)とドリームネッツの井上一成社長
■初期費用無料 地域活性目指す
インターネットサービスの企画開発を手がけるドリームネッツ(広島県福山市)が、小規模事業者向けのスマートフォン(高機能携帯電話)アプリ作成サービス「アプスタ」を始めた。店の情報を顧客に発信するスマホアプリを初期費用なしで作れるのが特長で、地域活性化につなげたいという。着想に共感した事務機器のキングジムが資本提携し、サービスの認知度向上に協力する。
スマホアプリには「企業アプリ」と呼ばれるジャンルがある。企業が独自アプリを作り、自社製品や店舗の特売品情報、クーポンなどを配信する販促ツールとして用い、顧客の囲い込みを狙う。しかし、独自アプリを制作する開発費やその後の維持費が高額な場合が多く、導入は体力のある大手に限られてきた。
アプスタは、中小企業や個人事業者が経営する店舗で活用できるよう、初期導入費用を無料にした。アプリ作成と配信のための手続きはドリームネッツが行う。申し込みから配信までの期間は、iPhone(アイフォーン)向けはアップルのアプリ審査を含め3週間程度、アンドロイドOS搭載のスマホ向けは審査が無いため10日程度だ。システム使用料を含めた利用料金は月額制でアプリのダウンロード件数に応じた従量課金とした。100件までは無料、101件を超えて1000件まで100件ごとに2000円増し、1001~5000件は3万円、5001~1万件は5万円。1万件以上は別プランとなる。
ドリームネッツの井上一成社長は「会社のある福山市も含めて地方は停滞感が続いている。アプスタは地域密着型ビジネスとして、地域の店と周辺の人とがつながり、喜んでもらえるサービスを目指した」と話す。
アプリに盛り込む機能は、ニュースレターやクーポンの配信と、フォトギャラリー、スタンプカード機能、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)との連携機能などだ。例えば、雨天時に来客が減る店なら、降雨と同時にニュースレターで雨の日特典を告知したり、特別クーポンを配信するといった具合だ。こうした情報の更新は、パソコンやスマホ、タブレット端末からでき、SNSやブログの更新同様、簡単に使えるように工夫した。
今回、キングジムはアプスタの企画に参画し、PRを請け負う。宮本彰社長は「ダウンロード数に応じた従量課金というのは成功報酬型。初期費用が無いから試しに店のアプリを作成し顧客反応をみたいという店舗に向いている」と期待する。
両社は有料化率が15~30%程度になるとみており、初年度3000店、5年以内に3万店での導入を目指す。(日野稚子)
「フジサンケイビジネスアイ」