子育てと仕事を両立できる社会の実現を目指して事業を展開するハーモニーレジデンス(東京都杉並区)は、母子(父子)家庭の就職支援の一環として職業訓練事業に乗り出した。
その第1弾として、5月日までの3カ月間にわたり、営業能力を身につけた事務職員を養成する職業横断的スキル習得訓練コースを開講。求職中の人が営業の基礎から就活までを学び、そのうち、6人が営業員・事務員として就職。営業担当として全国を飛び回ったり、中国出張を任されたりして、すでに就職先の貴重な戦力となっている。
人材派遣会社が登録(求職)者の職業訓練まで手がけるのは珍しいという。福井真紀子社長は、その理由について「シングルマザーが仕事に就くには、企業の即戦力となれるスキルを身につける必要がある。また、単に求人企業に紹介するのではなく、就きたい仕事に沿った職業訓練を受けるので求人企業とのミスマッチングを防ぐことができる」と説明する。
第1回の職業訓練が就活に有効だったことを受けて、今後は「シングルマザーの自立支援に向け、就職に役立つコースを作っていく」考えだ。第2弾の秋開講を目指し、近く判断するとしている。
今回の職業訓練は、厚生労働省の緊急人材育成事業を受けて実施した。ただ、一般事務では就職が難しいと判断、実際に役立つ営業スキルを持つ事務職を養成できるカリキュラム構成とした。受講生はハローワークを通じて募集したため、限定できなかったものの、一人親が約3割を占めた。
営業販売員・事務員養成科で職業訓練を受ける受講生
「フジサンケイビジネスアイ」