入金照合。これがどんな業務なのかを知っている人はあまり多くないかもしれない。企業が取引先などに請求した代金が、期日までにきちんと支払われたか否かを確認する業務だ。うっかり見逃して二重請求したりすると取引停止といった深刻な事態になりかねない。重要な業務にもかかわらず、経理担当者らが神経をすり減らしながら黙々と手作業で照合を行っている企業もある。アール・アンド・エー・シーが提供する情報システム「Victory-ONE+(ビクトリー・ワン・プラス)」を活用すれば、入金管理業務を一気に合理化できる。
--どんなシステムか
「取引先などに請求した金額が締め切り期日までに銀行振り込みで正しく入金されたかどうかを自動で確認し、延滞や金額不足などが発生した場合は、経理担当者の他、取引先にくわしい営業担当者にも即時配信する」
--導入メリットは
「銀行振り込みによる入金の確認作業をほぼ全自動化できるため、手作業による金照合を大幅に削減できる。現金での受け取りや手形回収などの割合にもよるが、全体のおよそ7~8割の入金照合を自動的に迅速かつ確実に処理する。延滞などの事故情報がインターネット経由で営業担当者にまで即時配信されるため、迅速な対応が可能となり、不良債権の発生防止に役立つ」
--他に特徴は
「分析情報が充実していることだ。請求一覧と滞留情報一覧、不明入金一覧といった基礎情報に加えて、入金予定表や滞留明細一覧表なども即時作成しているため、きめ細かな回収業務を展開できる。顧客別の入金履歴も蓄積されるので、営業担当者が退職などで代わっても適切に対応しやすい」
--どんな企業が活用しているか
「川崎近海汽船やソフトクリーム総合メーカーの日世など、幅広い業種で利用していただいている。利用企業の担当者からは『入金処理の従事者を大幅に減らすことができた』とか『請求書や納品書の発行業務が簡素化された』など、作業効率の向上や社内業務の合理化につながったと喜んでいただけた。当社のホームページ(http://www.r-ac.co.jp)に導入企業の実例と担当者の声などを掲載しているので、ぜひ、ご覧いただきたい」
--導入費用は
「販売や財務といった企業の経営中枢を担う基幹システムに組み込む方式なので導入企業ごとに異なるが、初期費用が数十万~数百万円だ。これに、年間保守料が必要となる。『Victory-ONE+』は大企業の活用を想定して提供している。これに対して、銀行振り込みとの入金照合に機能を絞ることで費用をぐっと安くしたシステム『Smart-ONE(スマート・ワン)』の提供を昨年8月に開始した。おもに中小企業向けで、初期費用が必要なく、月額利用料金は9450円だ」(川野智弘)
【プロフィル】
高山知泰
たかやま・ともやす 近畿大卒。名古屋の会計事務所勤務を経て、会計システムベンダーに勤務。大手上場企業グループの連結決算・会計システム構築支援などに従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て、2004年11月アール・アンド・エー・シーを設立し現職。40歳。愛知県出身。
【会社概要】
アール・アンド・エー・シー
▽本社=東京都千代田区東神田2-10-16 丸富第1ビル3階・9階 ((電)03・5835・2197)
▽設立=2004年11月
▽資本金=1700万円
▽従業員=18人
▽事業内容=業務系情報システム開発ソリューション、ITコンサルティング、情報システム企画・開発・販売など
「フジサンケイビジネスアイ」