ヴィノスやまざき専務 種本祐子氏
■「バレンタインワイン」大盛況
バレンタイン商戦真最中だ。ワイン屋を展開している弊社だが、バレンタインは大変忙しい季節でもある。ワインのマーケットは、まだまだ大変小さく、全アルコール消費量の中でも数%に過ぎない。20年前にワインビジネスを始めたとき、この数%のマーケットにワインを売り込むことではなく、自分たちでマーケットを創造していくことが大切だと考えた。
ワインを飲んでみたいが、何を買ったらいいのかわからない。そんなお客さまのためにセミナーやワインの試飲会などを店舗で開催し、たくさんのワインファンを創造してきたと自負している。
ワインマーケット作りに必須なのが、季節のイベントにあわせてワインを提案することだと考え、その季節にあわせた日常の生活の中にワインを提案してきた。そんな中で人気なのが、「バレンタインワイン」だ。
バレンタインというとチョコレートが常識だが、中には甘いものが苦手という方もいる。そんなわけで数年前からバレンタインに赤ワインを贈ろう、というキャンペーンを行ってきた。これが大変好評で、バレンタインにワインを贈る人が年々増え、ついに一昨年前からハートラベルのバレンタインワインを開発した。
選んだワインは米国カリフォルニアの人気ワイナリーのカベルネソーヴィニヨン種。ワイン通の方にも、カリフォルニアでは、「ワインにチョコレート」という組み合わせが人気で、ワイナリーでおつまみにチョコレートを出してくれたことがヒントとなった。
今ではプレゼントとしても、またご自身用にも購入してくださる方が増えた。また、「ワインにあうチョコレートはないのか?」というお客さまの要望に応え、甘さを抑えたダークな味わいのガトーショコラも、オーダーメードで作っている。
毎年好評で、「昨年食べておいしかったから」と、ひとりの方で数十個の予約をもらうことも少なくない。今年も私自身のために予約したバレンタインワインとショコラが届くのが楽しみだ。
【プロフィル】
種本祐子
たねもと・ゆうこ 静岡県生まれ。1987年、実家のやまざき酒店に就職。88年にヴィノスやまざきを設立。日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー。
「フジサンケイビジネスアイ」