超音波システム研究所(相模原市中央区)は、超音波専用水槽内で細かな気泡を発生させる制御技術を応用して、金属部品などの表面を均質化できる表面処理技術を開発した。
超音波専用水槽は眼鏡店で眼鏡の洗浄用に設置されているように、工業用でも部品などを洗浄するために使われているケースが多い。
ねじなどの金属部品や樹脂部品などは熱してから冷やす成形工程で、温度分布の影響で表面にむらが生じる。同研究所によると、こうしたむらは部品強度に影響を与える可能性があるという。
同研究所は、超音波専用水槽で金属部品などを洗浄すると、汚れが落ちるのと同時に表面のむらが改善されていることに着目。実験の結果、水槽内で複数の周波数を制御することにより、金属部品に加えて樹脂部品など幅広い素材を対象に、表面全体や一部を均質化できる技術を開発した。
同研究所は自動車や飛行機などに使われる工業用部品について、洗浄と合わせて品質を高められる加工技術として有効と判断。超音波洗浄装置を持つ企業などに対して、技術ノウハウのコンサルティング事業を展開していく計画だ。
「フジサンケイビジネスアイ」