ガラスより高い透明度の樹脂製品販売 sid・清水勝明代表取締役

真空注型機メーカーのsid(エスアイディ)は、ガラスより透明度が高く、割れることもない軟質樹脂を使った製品「Harehare(晴れ晴れ)」の販売を始めた。ガラスの代替として食器や照明を中心に生産・販売し、初年度は国内外で3億円の売り上げを目指す。そのための代理店網を日本や中国などで構築する考え。清水勝明代表取締役に展望などを聞いた。

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清水勝明代表取締役

--Harehareの特徴は

「屈折率は1.509と光学ガラスを超えた透明度を実現。これに光を当てるとクリスタルのように反射し、美しく輝く。その上、柔らかく、曲げても元に戻るので割れたり折れたりすることがない。さらに重さはガラスの半分で、持ち運びや取り付け負担を軽減。落下しても破損しないのでガラス製品と比較して高い安全性を誇る」

--使い勝手がいい

「見た目はまるで柔らかいガラスだ。また熱伝導率が低く、グラスに熱湯を入れても熱くなく、氷を入れても溶けにくく表面に結露も付きにくい。プラスチックは数カ月間、紫外線を受けると黄色く変色するが、HareHareは紫外線を10年分受けても大丈夫なので、きれいにずっと使用できる」

--どんな製品をそろえたのか

「Harehareの特徴を知らせる宣伝の意味合いを込めて3種類をサンプル生産。ワインクーラー『FUNE』は断熱性に優れるため、中に入れた氷は4時間以上持つ。それでも外部表面に結露が発生せず、テーブル上に水滴が垂れない。グラスは『SAKURA』と『COSMOS』の2種類を生産。どんなに熱くても冷たくても使用できる」

「シャンデリアも飾り部分を変えてサンプルを数多く用意している。美しさはもちろん、軽いので設置が難しかった家庭でも天井裏の補強工事を行わずにシャンデリアのある室内の雰囲気を楽しめる。まだ納品実績はないが、お客さまの要望に応じてデザインする製品と当社オリジナル製品の両方をそろえる考えだ」

--手応えは

「マレーシアの不動産開発会社のオーナーから金箔(きんぱく)を樹脂に入れ込んだCOSMOS(200個)の注文が入り、専用に生産した。これがオリジナル製品の納入第1号だが、試作・小ロット生産も可能なため、お客さまの要望で生産している製品は複数ある。納品先も自動車や化粧品、アクセサリー、アミューズメントと多様で、高い屈折率をもつガラスのような美しさやフォルムを持ちつつ、柔らかく軽いというHarehareの特徴が認知されれば需要が高まる。こんな製品を作ってほしいという声も出てくるはずだ。このため専用工場を埼玉県川口市に建設した」

--今後の展開は

「需要はあるので売り上げがどのように伸びていくか楽しみだ。特に金箔入りの製品は中国などで好評なので、販売促進の一環としてショールームを中国の四川省成都と広東省深センに開設した。今は新型コロナウイルス感染の影響で閉めているが、金箔入りの皿やグラスなどを展示している。また上海にも設ける予定。ただ開発は得意だが、営業は苦手。このため販売代理店を募集している。日本と中国のほか、マレーシアや台湾にも展開したい」

【会社概要】sid
 本社=埼玉県川口市前川2-32-1
 資本金=2000万円
 従業員数=19人
 事業内容=真空注型機製造販売、樹脂部品製作

【プロフィル】清水勝明
 しみず・かつあき 1974年三愛を設立し社長。2008年sidに社名変更。74歳。東京都出身。


「フジサンケイビジネスアイ掲載」

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