ビデオ会議ソフト「Zoom」を紹介するNECネッツエスアイの担当者=4月、東京都文京区
テレワークに活用できる便利なソフトウエアやサービスが続々と登場している。特に注目されているものにインターネット回線によるビデオ会議(ウェブ会議)のシステムがある。スマートフォンでも会議に参加できるなど操作が簡単で、費用も安くなってきた。
最大500人が接続でき、パソコン画面に25人の顔を同時に表示できる-。世界で75万社以上が利用しているのが米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのソフト「Zoom(ズーム)」だ。日本では2017年にNECネッツエスアイが販売を開始。日本航空などで本格活用されている。
専用機器は不要。パソコンやタブレット、スマホで使える。NECネッツエスアイの担当者によると、携帯電話回線でも安定した接続ができ「新幹線の中でスマホで会議に参加することも可能だ」。チャットや資料共有、録画など多彩な機能がある。同社自体も会議やテレワークで月に4500回利用し、出張の削減など大きな業務効率化効果が出ているという。価格は1ライセンス月額4700円(税別)。
本社が台湾にあるサイバーリンク(東京)のソフト「Uミーティング」には、ビデオ会議の画面に映る女性の顔に、画像処理技術を使って口紅やアイライナーなどを自動的に施す「バーチャルメイク」の機能がある。「在宅勤務の女性からはノーメークでウェブ会議に出たくないという声があった」と担当者は開発理由を説明する。
部屋の中を見られたくないという要望にも応え、自動で背景をぼかす機能も付けた。人工知能(AI)や拡張現実(AR)の技術で実現している。月額利用料は1アカウント1000円(税別)から。「中小企業やNPOの導入が多い。特に女性が多い会社からの反応が良い」としている。
【用語解説】
テレワーク
ITを活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方。職場に行かず自宅や共有オフィスで仕事をする。通勤時間の削減、育児や介護との両立などに有効とされ、政府が2017年3月にまとめた「働き方改革実行計画」に推進が盛り込まれた。労働人口の減少が課題となる中、現役社員の労働生産性を高めたり、女性や高齢者の活躍の場を広げたりする方策として期待されている。ただ海外に比べると日本の普及率は低く、制度として導入している企業は14%程度にとどまっている。
「フジサンケイビジネスアイ」