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【採用担当者のホンネ】サイバーエージェント 素早く対応できる「素直さ」重要

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「成長産業を見極めてほしい」と語るサイバーエージェントの曽山哲人人事本部長

 競争の激しいインターネット業界で急速な成長を維持する経営に加え、若手社員の積極的な登用で就活生の人気企業上位に名を連ねるサイバーエージェント。2012年春入社は、それまで5年間の採用者数を2倍に増やし200人を採る方針を表明。すでにその大半について、内々定を出し終えた。

 同社はIT(情報技術)ベンチャーとして、1998年に藤田晋社長らが設立。ベンチャーの場合、設立後数年は中途採用のみで構成することが定石だが、同社は00年4月採用の第1期から新卒採用を行っている。今年は第1期として入社した社員のうち1人が取締役に就任した。

 「新卒で一番大きいのは同期がいることです」。同社の曽山哲人人事本部長(36)は説明する。同時期に複数の社員が入社することで仲間意識が生まれるほか、同期を通じて部署間のネットワークもできる。「ライバル心や競争力も芽生え、新卒採用の方が定着率が高いのも事実です」(曽山氏)。

 人気企業だけに採用では5回以上に及ぶ面接やディスカッションを実施し、受験生をふるいにかける。ただ、選考基準は複雑ではなく、キーワードは「素直さ」。「ただ、従順という意味ではなく、ネット業界の素早い変化に対応できるかどうかの力」という。

 複数の面接を通じて採用担当者が見極める一方で、「学生からも社員を見てもらいたい。話が合うかどうかは大きなファクター」(同)。不景気で就職率が低いなかの就活では、選ばれるために学生は必死だが、「学生からも会社を見極める視線があればさらに良い」と話す。

 内定者では、これまでベンチャー気質を好む早稲田大や慶応大、藤田社長の母校である青山学院大が多かったが、「最近は国公立も増えている。国公立の学生がネットというこれまでと違う産業、世界に踏み出そうとしているようだ」という。

 曽山氏は通常、最終面接に参加しており、「学生のレベルが上がってきているのを感じる」と話す。「学生時代の経験で差が出ている。大学時代から社会に触れ、試行錯誤を経た『決断経験値』が重要になる」と分析する。

 また、同社は美男美女揃いとの評判も高いが、曽山氏は「もちろん“顔採用”はやっていません」。「学生は社名で会社を選ぶのではなく、20、30年後にその会社が伸びているかを見極めて就活に臨んでほしい」と呼びかけた。(森川潤)

「フジサンケイビジネスアイ」

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