オウケイウェイヴ社長の松田元氏
ブロックチェーンには社会を変革するインパクトがある。しかし、その全貌はまだ明確には見えない。17、18日に開かれる日米やアジア太平洋地域の保守思想の連帯を目指す国際会議「J-CPAC2018」を記念したシンポジウム「ブロックチェーン時代の政治と通貨」のパネルディスカッションに登壇する、オウケイウェイヴの松田元社長にブロックチェーンの現状や可能性を聞いた。
日本は仮想通貨に先進的な対応をしてきた
「取引所を登録制にするなど制度面の対応も進んでいる。日本と韓国は取引量も多く、2大市場ともいえる状況だ。バブルのような状況は終息したが、需要は底堅く価格も一定水準で推移している。ただ、ブロックチェーン技術の活用という意味ではまだまだ黎明(れいめい)期。具体的に何ができるのか、という点がまだ明確に見えていない。実際の活用例、ユースケースの登場が待たれている」
ブロックチェーンの活用に課題などはあるだろうか
「いろいろな制度、ルールといったレギュレーションが障害にはなっている。例えば、ブロックチェーンの活用に伴って発生するトークン(代用貨幣)の扱い一つ取っても、税制や会計面で明確な処理ルールが見えない。そういう意味では、活用に向けた環境整備がより必要だ」
今後の展望は
「インターネットに例えれば現状はまだパソコン通信の段階。ウィンドウズ95が登場して本格普及が始まる前と同じだろう。しかし、ネットはいつしか定着し、情報、ビジネスのツールとして社会に根差している。ブロックチェーンもそういう形で浸透していくと思う。しかも、そのスピードは非常に速いだろう。3年後には広く活用されているかもしれない。日本がこの技術を活用した産業をリードするためにも、イノベーションに向けた取り組みを加速すべきではないかと思う」
【プロフィル】
松田元 まつだ・げん
早大商卒。在学中の2006年にアズを起業。12年にアズグループホールディングスを設立し、代表取締役就任。16年創藝社代表取締役。17年オウケイウェイヴ取締役、18年7月から現職。34歳。神奈川県出身。
「フジサンケイビジネスアイ」