3Backs社長・三浦尚記さん(37)
学歴や職歴の乏しい若者に対し、教育や、転職・起業によるセカンドキャリアの実現支援を行っている
「中卒や高卒、大学中退などの若者に、営業の実務に携わってもらい、大企業でも活躍できる実績やスキルを身につけてもらっている。期間は1~2年で、成果に応じて報酬も得られるようにしている。1年以内に日本の平均年収420万円を上回ることが最低限の目標だ。単なる短期集中型のビジネス研修ではない」
特色ある取り組みだ
「(人手不足が叫ばれているが)学歴や社歴のない人にとって、まだまだ就職や転職は厳しい。採用側はそうした人材に対し、前職でどんな仕事をやったのか、どんな実績を残したのかを求めている。培った人間力がどの程度のものなのかも重要だ。(若者がそうした必要な条件を身につけられるよう)カバーしたい」
国による支援も必要か
「国がそこまでするのは難しいのではないか。まずは民間企業で進めていくべきだと思う」
今の若者の働くことに対する考え方は
「著名人などが(若者に対し)『好きなことをしろ』『会社に依存すべきではない』などと語りかけている。しかし、それは手に職をつけるなどしてから可能な話だ。著名人は、その過程を省いて語っている。今はフリーランスなどでも稼ぎやすい時代なのだが、(著名人の言葉を)勘違いした若者たちが、僕らが若いときよりも増えている印象がある」
働く意欲はあるのか
「『ガンガン働きたい』というより、『楽したい』という発想が多いようだ。彼らにも『将来こうなりたい』という欲はあるのだが、(必要な技術や能力がなく)現状と将来なりたい姿がかけ離れている」
【プロフィル】
三浦尚記 みうら・なおき
大学中退後、2009年に3Backsを起業。「大学中退だとキャリアの選択肢が減る」という実体験を踏まえ、14年、低学歴、低社歴の人材を支援する「リバースラボ」事業を試験的に始め、17年、正式にサービスを発表した。埼玉県出身。