杉本幸雄氏
売上げ減少や利益率低減、長時間労働に悩んでいる中小企業に、事業の拡大や再生の手段として、新規にネット通販ビジネスへの参入を提案して、コンサルティングを行っています。
クライアントの9割以上が、これまでネット通販に関わったことがなく、医薬、健康、食品、ダイエット、化粧品などの分野を主な対象にしています。
病院やエステサロンのように、営業時間内に対応できる人がいないと業務を行えない「人頼み」の業態にネットビジネスを付加させ、3年後に新たに3億円の売上をつくることが指導の目標。
私が大切にしているキーワードは「ど根性」と「片手間では絶対成功しない」で、「売上=商品×(集客+接客)」という独自の鉄板公式も考案し、コンサルティングの基礎にしています。
この鉄板公式についていえば、「商品が良ければ売れる」と考えているネットショップのオーナーは少なくないと思います。ところが、商品力やサービス力で差別化しようと思っても、他社と圧倒的な差をつけることはかなり難しいのが実情です。
一方、商品やサービスが良くても、お客様がそれを知らなければ買っていただけません。したがって、商品やサービスをお客様に知っていただくための活動である集客が重要であり、私は商品やサービスの向上と同時に、集客については特に力を入れて指導しています。
なお接客とは、Webサイトやメール、広告原稿などのすべての顧客接点でのおもてなしを意味します。商品がそこそこ良くて集客力があればネットショップに新規顧客が集まり、新規顧客に適切な接客を行えば、リピーターになっていただける。その結果、売上が持続的に伸びていくというのが、この公式の意味するところです。
ネット通販の売上はまた、「売上=アクセス数×コンバージョン率×客単価」とも表せます。コンバージョン率(転換率)とは、Webページを閲覧した人の中で、商品購入や会員登録、資料請求などを行った人の割合。
たとえばアクセス数が十分でもコンバージョン率が低い場合は、自社の通販サイトを訪れた人は多くても、売上につながる行動に結びついていないことを意味します。ここまで分析してから、通販サイトをリニューアルすることを検討したほうがいいでしょう。アクセス数、コンバージョン率、客単価をそれぞれ約3割向上させれば、売上が約2倍になるという理論です。
また、若手やベテランに限らず、職場や地域社会でさまざまな人たちと協力をしていくために必要な能力である「社会人基礎力」その中でも、コミュニケーションスキルの不足で困って いる方は多く、それは仕事上での時間やコスト、イライラや不安を増大させ、事業やプロジェクトの「全体コスト」も引き上げています。そこで当社では、IT・EC人材のための社会人基礎力研修「全体コスト削減への人間力強化」も実施しています。
最近では高齢者のインターネット利用率が高まっていて、80代の方でも約4割がインターネットを利用しています。60~70代の方のインターネット利用率は約7割に達しており、ネットショップとしては、高齢者層の顧客獲得により力を入れていくべきでしょう。
2020年頃には日本では女性の2人に1人が50歳以上になるという試算もあります。こうした状況をふまえ、40代以上の女性をメインターゲットとして取り込み、彼女たちが80代になっても取引が続くような優良顧客に育てることを指導しています。
ネット通販ビジネスは、適切なあり方とやり方で成功を手に入れることができる、極めて普通でありふれた商いです。思い込みや勘違いは捨てて、正しい姿勢で真摯に仕事に取り組み、フィロソフィー(哲学)を持って人の欲求や悩みに応えていれば、おのずと稼ぐことができるようになっていくでしょう。
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