第21回上海国際映画祭出品映画「きらきら眼鏡」7日「TOHOシネマズららぽーと船橋」にて先行公開

ELSYS CENTRAIR and CONSULTING 株式会社 掲載日:2018年9月1日

犬童 一利監督
犬童 一利(いぬどう・かずとし)監督

7日、「TOHOシネマズららぽーと船橋」での先行公開を皮切りに、15日から全国の映画館で順次上映されることが決定している映画「きらきら眼鏡」。同作品は、舞台となる千葉県船橋市の市民と映画制作チームが〝共に〟制作をした映画としても注目されている。今回、メガホンを握った犬童一利(いぬどう・かずとし)監督はサラリーマンから映画監督に転身したという異色のキャリアを持つ。犬童監督に作品に込めた思いや、映画監督を目指した経緯について聞いた。

新しい「地域と映画の関わり方」

「きらきら眼鏡」は、原作の森沢明夫さんがご自身の出身地である船橋を舞台として書いた小説で、森沢さんと船橋市民の有志(のちのNPO法人船橋宿場町再生協議会)で2016年2月頃から映画化の構想がスタートしました。森沢さんとは以前から交流があり、映画化の話が挙がった際に直接ご連絡をいただきました。オファーをもらってから映画制作チームと船橋市民の方々で話し合いを重ね、市民の方々が積極的に動いてくれたこともあり、制作決定ができ、その後、船橋市からの全面協力を取り付けることができました。

通常、地域映画というのは、自治体が予算を出して、あとは制作チームに全てまかせることが多いのですが、「きらきら眼鏡」の場合、船橋市民の中から声が上がり、市民の方々の熱意に行政が動かされるという、非常に珍しいケースでした。制作に掛かった予算も、船橋市からの助成金だけでなく、船橋の企業の協賛や出資から集まっています。エンドロールを見てもらえればわかりますが、本当にたくさんの個人、企業、団体からの支援があったからこそ実現できた映画です。

最初は約10人からスタートした実行委員会のメンバーも現在は100人以上まで増え、「きらきら眼鏡」を成功させるために今も奔走してくれています。撮影のために、100人以上もの市民エキストラが深夜に集まってくれたり、朝5時から市民の方々がスタッフやエキストラのために食事を用意してくれたりと、市民の方々が自主性を持って動いてくれたことに本当に感謝しています。9月7日に「TOHOシネマズららぽーと船橋」での先行公開が決まっていますが、この規模の作品がTOHOシネマズで上映できることは稀で、これも9000人以上の船橋市民の署名活動によって奇跡的に実現したことです。

私の知っている限り、行政と民間、制作チームの歩み寄りが、ここまでうまくいった映画は他にありません。この映画制作を通して、船橋市民の輪が広がっていることもとても嬉しいです。新しい「地域と映画の関わり方」を示すことができたのではないかと思います。さらに興行も成功させて結果を残すことで、「地域と映画の関わり方のロールモデル」として確立したいです。

自分と真剣に向き合い、考え、行動に移す

何故、サラリーマンから映画監督を目指したのかとよく聞かれますが、大学を卒業して就職したときは、映画監督になりたいとは思っていませんでした。就職して2年ほど経った頃に、「このままの自分でいいのか」と考えるようになり、「自分が何をやりたいか」ということと真剣に向き合い、とことん深掘りしていった結果、「映画監督になりたい」という結論に至りました。そして、映画監督になるために「何をしたらいいか」を自分で考え、行動に移していきました。そのとき役に立ったのが、会社で鍛えられた営業力です(笑)。

当然、演出、撮影、編集技術など映像制作に関する知識の全くないところからのスタートだったので、まずはSNSを使い、自主映画のボランティアスタッフに応募し、週末に手伝うことから始めました。また、最初はサラリーマンの時より収入が減ることを想像していたので、当時の会社の部長から許可をもらい、就業時間後にコンビニでアルバイトをしていたこともあります(笑)。

会社を辞めてからは、「いろんな人と会う」と決めて行動しました。そんな中、インターネットで見つけた面白い映画監督のブログに目が止まり、「部屋の掃除でもなんでもするので会わせてください」と連絡して会いに行きました。その監督が、最近、社会現象にもなっている映画「カメラを止めるな」の上田慎一郎監督でした。上田さんの紹介で、いろんな方々と出会うことができ、そこから自分のキャリアを作っていくことができました。

もしも、現状の自分に悩んでいるのであれば、是非、自分からアクションを起こしてもらいたいです。これは、「きらきら眼鏡」のキーワードでもある、「自分の人生を愛せないと嘆くなら、愛せるように自分が生きるしかない」という言葉と通じているのかもと思っています。

心に掛ける「きらきら眼鏡」

本作品のテーマの一つで、タイトルになった「きらきら眼鏡」は、掛けることで周りのものが輝いて見える「心に掛ける眼鏡」のことです。世の中には、たくさんの情報が溢れていて、人は普段、辛いことや嫌なことに目が行きがちですが、それ以上に素敵なことがあることに、本作品を通じて気付いてもらいたい。家族や友人、愛する人たちと、日々楽しく笑顔で過ごせることがどれだけ幸せなことか。空や道に咲いている花の綺麗さにふと目が止まったり。本作品の企画が始まった頃から、私も「自分の人生を愛せるように生きよう」と、日々を楽しみながら過ごそうとしています。

ただ、本当に辛いときに〝無理をして〟きらきら眼鏡を掛けることは、自分の心をごまかしたり、自分に負担を掛けてしまうことに繋がるかもしれません。必ずしも、いつも「きらきら眼鏡」を掛けることが正しいとは思っておらず、人それぞれの掛け方があると思います。映画を通じて自分なりの「きらきら眼鏡」の掛け方を見つけてもらえれば嬉しいです。私も「きらきら眼鏡」を〝自然に〟掛けられるようになりたいと思っています。

映画を撮り終えて

私にとって、小説の映画化というのは初めての挑戦でした。是非、小説も読んでいただき、映画との違いなどを楽しんでもらいたいです。また、池脇千鶴さんや安藤政信さんなど、国内外で活躍している俳優の芝居は勿論のこと、今回主演を務めた新人・金井浩人さんの演技にも注目してほしい。映画が進むにつれて、彼の表情が変わってきます。映画の主人公「立花明海」の成長とともに、金井さん自身の成長も感じられるはずです。 今後については、まずは先行公開に向けて、チーム一丸となってさらに盛り上げていきます。映画は人に観てもらって初めて完成するものだと思います。是非、映画館に足を運び、船橋市民の愛がたくさん詰まった映画「きらきら眼鏡」を楽しんでいただければ嬉しく思います。

犬童監督プロフィール

犬童 一利 -Inudo Kazutoshi-
1986年生まれ。神奈川県出身。
長編デビュー作『カミングアウト』が東京や香港の国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映され話題になる。2015年公開の『早乙女4姉妹』を経て、2016年『つむぐもの』で全国デビュー。本作は世界12大映画祭の1つである第19回 上海国際映画祭に正式出品となった。
最新作の『きらきら眼鏡』が9月より全国ロードショー。

「フジサンケイビジネスアイ」

 
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