IoTで人とモノつなぐ端末を提供

トランザス・藤吉英彦社長
トランザス・藤吉英彦社長

業務用の情報配信端末やウエアラブル端末を製造販売するトランザスは、ソフトウエア開発から機器の製造、メンテナンスまでを一貫して手掛けている。9日、東証マザーズに新規上場した藤吉英彦社長は「IoT(モノのインターネット)化が進展し、業務用端末は多様な分野で活用されていくだろう」と市場拡大に期待を寄せる。

◆業務用を対象に

--事業内容を詳しく

「わかりやすく言うとインターネットとIoTで、人とあらゆるモノをつなぐ端末をつくっている。一般消費者に身近な例では携帯電話やパソコンがそうだが、当社は業務用を対象としている。具体的にはネットから映像コンテンツなどを受信する端末であるセットトップボックス(STB)や、腕や頭など体の一部に装着して利用する端末のウエアラブルデバイスを主な商品としている。これらをさまざまな産業分野に対して提供している」

--どのようなシーンで活用されているのか

「STBは、ホテルなどでビデオオンデマンド(VOD)の映像をテレビに映し出したり、教育分野であれば先生と生徒がタブレット端末やパソコンを使って双方向授業をするとき、小型サーバーとして機能する。ウエアラブルデバイスは腕などにつけて、工場内のロボットや機械に指示を出すほか、レストランではウエートレスが接客する際のオーダー端末に使われている。人とあらゆるモノをつなぐ架け橋として、さまざまなところで利用されている」

--特徴と強みは

「開発から設計、製造、販売まで一貫したものづくりをしているところだ。IT関連企業は製品の開発、製造の各段階で外部発注するのが一般的だが、当社はノウハウを蓄積し、コスト管理を徹底していることを強みに、ニッチな商品の少量生産の要望にも応えている」

◆国際的な展開も

--市場環境は

「景気回復に伴うホテル稼働率の高まりや、2020年の東京五輪を控えた訪日外国人観光客を見込んだホテルの増加により、主力商品のSTBが安定的な売り上げと利益を確保している。ほかにも公的施設や小売店などでデジタルサイネージの導入拡大で需要増が見込まれる。また、国内外で産業分野におけるIoT導入が加速していることから、ウエアラブルデバイスの改良を重ねているところだ」

--これからの成長戦略は

「世界規模でIoT化が拡大するなか、国際的に事業を展開していく。IoT導入は世界中のあらゆる産業に広がっている。例えば農業分野では、畑にセンサーを設置してリアルタイムで情報を解析し、生産管理に役立てるという動きが進んでいる。半面、思うように浸透していない産業もまだまだ多い。このためシンガポールの子会社を海外展開拠点として、世界的な電子機器メーカーが多い台湾には支店を設けている。上場で調達した資金は海外展開強化のため、人件費や開発費に充てる」

【プロフィル】 藤吉英彦 ふじよし・ひでひこ
静岡大工中退。1995年1月アイ・ディー・ディー(現トランザス)を設立し、現職。44歳。岐阜県出身。

【会社概要】
トランザス
 ▽本社=横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワー17階
 ▽設立=1995年1月
 ▽資本金=3億7000万円
 ▽従業員=45人
 ▽売上高=12億5200万円(2018年1月期予想)
 ▽事業内容=IoTソリューション、IT業務支援

「フジサンケイビジネスアイ」

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