インターネット広告大手のサイバーエージェントは、スマートフォン(高機能携帯電話)向けにコンテンツを提供する専用サイトを12日に開設する。米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマホ向けに「アプリ」と呼ばれるソフトウエアを配信する。スマホ向けアプリサービスでは、ソーシャルゲームサイト「モバゲー」を展開するディー・エヌ・エー(DeNA)やグリーなども積極化させているが、サイバーはゲームのほかにも、趣味・教養分野など多様なアプリを提供することで差別化を図り、利用者獲得を目指す。
サイバーが始めるアプリ配信サイトの名称は「Ameba AppMarket(アメーバ・アップマーケット)」。アンドロイドOSを搭載したスマホやタブレット端末で利用できるソフトを多数そろえ、有償または無償でダウンロードして利用できる。
サービス開始時点では、中堅ゲームソフト会社のチュンソフトなど34社が約200種のアプリを供給。これを年内に1000種まで拡充する計画だ。
サイバーは、国内最大規模のブログサイト「アメーバブログ」や、コミュニティーサイト「アメーバピグ」などパソコン向けネットサービスに強みを持つ。携帯電話向けでは、DeNAやグリーに引き離されていたが、パソコン向けサービスのノウハウを活用しやすいスマホが拡大していることを好機として参入を決めた。
スマホ向けにはこれまで自社製アプリを提供、閲覧件数に相当するページビュー(PV)は月間約10億PVだったが、他社製アプリも加えた専用サイトによって2013年度に同200億PVに引き上げる。13年度にはパソコンなど全サービスで同600億PVを目指しており、スマホ向けを中核事業の一つに育てる考え。
DeNAとグリーも今年に入ってスマホ向けサービスに相次いで参入しているが、サイバー社はゲーム以外のコンテンツに加え、パソコン向けサービスと連携させてシェアを拡大させる方針だ。(三塚聖平)
「フジサンケイビジネスアイ」