ストレスチェック事業強化 書面式も低価格化、外国語対応

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東京大学発のベンチャー企業である情報基盤開発(東京都文京区)は、昨年12月に義務化されたストレスチェックを低コストで実施するサービス「AltPaper(アルトペーパー)ストレスチェックキット」事業を強化する。


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「AltPaperストレスチェックキット」の内容物。安価で紙のチェックシートによるストレスチェックが可能だ

同社は、書面を使って集めたアンケートや各種調査を自動入力するクラウドサービス「AltPaper」を提供しており、ストレスチェック関連のサービスも「AltPaper」で培ったシステムやノウハウを活用することで商品化した。

ウェブを活用したものに加え、紙の書面で回答するタイプのテストを業界最低価格で提供しているのが特徴。従業員60人以下の事業場の場合で4万9800円(税別)という低価格を実現した。

ストレスチェックサービスとしては、ウェブ上で非常に安価なものが提供されているものの、紙のチェックシートを使うタイプのものは1人当たり1000円以上が相場となっている。

一方で、パソコンやスマートフォンなどを全社員に配備するといった環境が整っていない中小企業などにとっては、紙のチェックシートを使うタイプのものに対するニーズも強く、高品質で安価な書面式のサービスにビジネスチャンスがあると判断した。

サービスは、厚生労働省が推奨する57項目の設問を網羅した「職業性ストレス簡易調査票」に準拠。最も安価な紙のチェックシートを使うタイプの場合、顧客企業にチェックシートや封筒を同梱(どうこん)したキットを送付。記入後に返送すると、約2週間程度で結果が送付されてくる、というもの。

同社は現在、300社程度から同サービスを受注している。さらに、英語や中国語バージョンなども用意したほか、今後はより精密な80項目からのチェックシートを備えたバージョンの商品化も検討。さらなる顧客の開拓を進める。

これと同時に、チェックの結果を経年比較したり、集団分析し、それらを基にリポートを作成するといった高付加価値サービスの創出も進め、業容の拡大を図る考えだ。

同社は、ストレスチェックに求められる産業医の紹介なども可能な体制を整えているほか、集団分析を基にした従業員の満足度分析なども可能とみており、同分野の総合的なソリューションを経営の新たな柱へと育成する考えだ。

ストレスチェックは、労働安全衛生法の改正に伴って2015年12月に年1回の実施が義務化された。対象は労働者50人以上の事業場で、50人未満の事業場は当面の間努力義務とされている。

ただ、法が定める“労働者50人以上の事業場”には、雇用形態にかかわらず、常時50人の労働者がいれば該当する。店長1人、アルバイト49人といった事業場も対象となることから、安価で紙のチェックシートを使うタイプのテストのニーズが大きいとみられている。

「フジサンケイビジネスアイ」

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