大京グループのリフォーム会社、大京リフォーム・デザイン(東京都渋谷区)は、ペットリフォーム事業に本格参入する。日本最大級のペットショップを運営するAHBと提携。「エルズペットリフォーム」というブランドを立ち上げて猫との暮らしをデザインしたショールームを順次開設し、ペットと飼い主が快適に過ごせる住空間を提案する。初年度の受注目標は40件で、3~5年かけて一大ブランドを形成する。
猫との暮らし体験ができるショールームの一角=東京都港区
大京リフォームはこれまでもペットリフォームを手掛けるケースがあったが、「個々の要望に対応してきたもので、それが本当にペットに良いのかが十分に把握しきれていなかった」(豊田耕三社長)。今回の提携を機に、AHBの知見を間取りの設計や商品開発に反映させていく。
ショールームの第1号店は東京・台場のアクアシティに開設した。約36平方メートルの空間に、ねこステップやモダン和風コーナーなどを設けており、滑りにくい床材や傷が付きにくい壁材などを採用した。そこでの猫の動きを観察し実際のリフォーム設計に反映させる。2号店は大阪府守口市のイオンモールに出店。その後は千葉と名古屋への進出を計画している。
矢野経済研究所によると、2016年の国内リフォーム市場は6兆6000億円になる見通しで20年には7兆3000億円まで増えると予測している。一方、少子高齢化に伴う単身・2人世帯の増加によって、ペットを飼う人は増えており、関連市場は着実に拡大している。
また、リフォーム層とペット購入層ともに40代以上がメインで主要顧客層は重なっている。ただ、ペット&ファミリー少額短期保険の調査によると、ペットのために住宅のリフォームを「検討もしくは実行した」という割合は2割にすぎず、潜在需要は大きい。
大京グループは53万戸のマンションを管理している。今回の提携を機にAHBのブランド力を生かしながら、リフォームの重要性について「周知徹底を図っていきたい」(豊田社長)としている。
「フジサンケイビジネスアイ」