ミャンマーで日本企業の進出・人材・就職支援を手掛けるジェイサットコンサルティング(ヤンゴン)は、マンダレー工科大学とマンダレーコンピューター大学での日本語授業を6月から始める。
約900人の学生がコンピューターを専攻するマンダレーコンピューター大学
日系企業での勤務を希望する学生に対し、日本語教育とともに就職も支援する。同社では大学生向けのほか、介護人材、企業の管理職人材などを幅広く養成することで、“ミャンマー人材養成のスペシャリスト”を目指す。
各大学から選抜された学生は、週2回の授業を2年間受講する。卒業までに日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる日本語検定試験N3レベル到達が目標だ。
日系企業は現地の人材に対して日本語能力を求めることが多い。とくにIT分野では優秀で安価なシステムエンジニアを求めて、大手から中小まで100社近くが進出している。これまでは採用した会社が独自に日本語教育を施していたが、在学中に習得することで就職に有利になるよう導く。
同社は2014年からミャンマー政府とともに主要国立大学で、キャリアプランのつくり方や日系企業と欧米企業との違いなどのキャリアセミナーを開いて、在校生全体の底上げを図っている。7月には全国16大学で最高学年の約5000人を対象にセミナーの開講を予定し、その後日系企業への就職を支援する。15年度には管理職やエンジニアなどとして、大卒者600人以上が日系企業に就職した。
ミャンマー日本商工会議所に登録している日本企業は300社を超え、3月末の新政権発足を受けて、さらに進出が加速するとみられている。
一方、ミャンマーでは大学生の就職難が続いている。こうした状況の下、政府による教育改革が推し進められ、各大学で特色ある独自の取り組みが試みられている。
マンダレーコンピューター大学は、ヤンゴンコンピューター大学と並ぶミャンマーを代表するコンピューター専攻の大学で、これまでに英語科、ビルマ語科があったが、今回新たに日本語科を設立した。
マンダレー工科大学は近年、第二言語習得を強化し、すでに英語科、中国語科を設立している。今回、日本語科を開設し、将来的には韓国語、タイ語の科目も設置する予定で企業と協議を進めている。
西垣充社長は「自社に合った人材を採用することが進出成功のポイントとなる。人材事業をさらに深く掘り下げ、日本とミャンマー両国に貢献したい」と話している。
「フジサンケイビジネスアイ」