セキュリティー普及 工事不要、安価な機器投入へ

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セキュリティーサービスを手掛けるSecual(セキュアル)は、工事や配線が不要で安価なホームセキュリティー機器の出荷を4月末までに始める。欧米と比べて普及率が圧倒的に低く、国内では一部の富裕層向けとなっているセキュリティーサービスを、賃貸物件向けを含めて幅広い層に広める考えだ。高齢者世帯の見守りにも応用し、他社との提携で多用途への利用も進める。価格はセンサーと親機の数によって違ってくるが、個人宅の場合、初期費用は1万円台からで月額利用料は1058円。初年度は1万セットの販売を計画している。


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窓やドアに貼り付けて振動や衝撃を検知する「センサー」

窓やドアにセンサーを専用シールで貼り付けて、親機と無線で連動させ、スマートフォンアプリで初期設定をして使用する。センサーが振動や衝撃を検知すると親機が警報アラームで侵入者を威嚇し、アプリを通じて事前に登録した連絡先に異常を一斉通知する。


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センサーと無線で連動し警報アラームで侵入者を威嚇する「親機」

ホームセキュリティーの普及率は、欧米の20%に対し、日本では2%ほどにとどまっている。社会安全研究財団の調べによると、年間収入1000万円以下の世帯では普及率はわずか1%。1500万~2000万円の場合でも4.3%にすぎないが、2000万円以上になると14.7%に跳ね上がる。青柳和洋CEO(最高経営責任者)は「所得の差がそのままセキュリティー格差になっている。多くの人に気軽に使ってほしい」とホームセキュリティー事業参入の動機を語る。

従来のホームセキュリティーは、初期費用数十万円で月額数千円ほどの負担になるため、利用しているのは一部の富裕層に限られている。また操作用モニターの設置のため壁に穴を空ける工事が必要で、引っ越し時に原状回復の義務がある賃貸物件にはほとんど導入されていない。

同社の場合、高齢者世帯の冷蔵庫やトイレのドアと連動させて、一定時間利用がないときに遠隔地の親族の元に知らせる見守り機能、美術館の収蔵作品や金庫などのセキュリティーにも幅広く応用できる。

今後は業務提携を進めることで事業展開を加速させる。他社ITベンチャーとの協業によりセンサーの種類や機能を拡充するほか、不動産関連会社とは賃貸物件に浸透させることを狙っている。

青柳CEOは「安心をもっとカジュアルに、多くの人に届けたい」と話している。(佐竹一秀)

                   ◇

【会社概要】Secual

▽本社=東京都渋谷区渋谷2-22-6

▽設立=2015年6月

▽資本金=1億890万円

▽従業員=20人(2016年4月1日時点)

▽事業内容=スマートセキュリティー製品の開発・製造・販売・運営

「フジサンケイビジネスアイ」

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