ITとワンストップサービスが支援の要

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トリプルグッドグループ 実島誠代表理事

全国の中小企業約の9割を占めるのが小規模事業者だ。従業員数が製造業で20人以下、商業・サービス業で5人以下の会社を指す。中小企業を支援する「小規模二法」(小規模企業振興基本法、小規模支援法)が成立。地方創生ビジョンの重要な柱でもある。支援機関が果たす役割は何か。インタビューシリーズ12回目は税理士、社会保険労務士、行政書士の各法人と司法書士・弁護士事務所を束ねるトリプルグッドグループの実島誠・代表理事に聞いた。

―小規模二法の成立をどう見るか

「当社は1997年の創業以来、中小企業の100年経営を企業理念に掲げ、利潤を上げながら会社経営を継続してもらおうと積極的な支援を行ってきた。したがって小規模二法の成立に関わらず、今後もこの理念を貫いていく姿勢に変わりはない」

―中小企業や小規模事業者支援に求められるものは

「IT(情報通信技術)の活用だ。これまで記帳代行が税理士の仕事のように思われてきたが、私の法人では事務作業はクラウドサービスの会計ソフトを使うことで時短と効率化を図り、その分、経営相談に力を注いでいる。ソフトにかかる費用も月々数千円程度で済むのも魅力だろう」

―他に必要なものは

「経営支援とひと口に言っても実際は税務処理や会社登記、法律問題などクリアすべきさまざまな課題がつきまとう。このため、それぞれの目的に応じた士業専門家の力が必要になるが、個別の対応ではコストも時間もかかる。常に連携して対応できるワンストップ体制が不可欠だ。自治体もこうした専門家ネットワークを地域で築き、企業をサポートすることで地方創生につなげてほしい」


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日本一の会計事務所を決める「会計事務所甲子園」で優勝したトリプルグッド税理士法人=2014年2月

―企業経営者に何を期待するか

「勉強を怠らず常に新しいものを取り込んでいく姿勢だ。IT技術が進歩し、社会は日々猛スピードで変化している。自分だけの狭い経営判断で会社を存続させることはもはや不可能。もちろん、これは税理士にもあてはまる。旧態依然の業務を続ける限り、仕事がなくなっていくことは確実だからだ」

―具体的には

「例えば、ITによる資金調達システム『クラウドファンディング』を活用すれば、地元密着型のプロジェクトであっても、これに賛同する全国の人たちから資金を募ることができ、ひいては街の発展やブランド化にもつながっていく。私自身、士業ITアドバイザー協会の代表理事を務めており、こうした新たな分野で可能性を広げていきたい」

「フジサンケイビジネスアイ」

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