日本だけで約5000万人が利用しているとされるフェイスブック(FB)などの交流サイト。IT(情報技術)ベンチャーのギフティは、そうしたサイトで知り合った相手に贈り物を届けられるソーシャルギフトサービス「giftee(ギフティ)」を展開し、着実に利用者を増やしている。太田睦社長はサービスの普及を通じ、「小さなありがとうをプレゼントできる習慣を根づかせたい」と意気込む。
--サービスの仕組みは
「まず贈り主が当社のサイトで商品を選び、決済手続きをする。そして発行されたURLを贈りたい相手に送る。受け取る方は、そのURLにアクセスして受け取りボタンを押せばメッセージカード付きの商品をもらえる。FBの交流相手など、住所や電話番号を知らない相手でも簡単に贈れる。2011年3月に始めたが、今では8万7000人が会員になっている」
--始めたきっかけは
「FBなどの交流サイトでは簡単なメッセージを相手に送れる。自分も使っていたが、やがてそれでは飽き足らなくなり、ちょっとした贈り物ができないかと考えた。カフェや花屋といった、地域にある約100店舗の商品や商品券を扱っている」
--それ以外にファミリーマートの「お買い物券」も贈れる
「地域の店だけでは受け取る人は出向くのが大変。そこでチェーン店にも売り込みをかけ、昨年7月にファミリーマートのお買い物券が加わった。お買い物券には300、500、1000円の3種類があり、もらったシリアル番号を店舗の端末『Famiポート』に入力すればその場でチケットが発行され、買い物に使える。約1万店で利用可能なので、交換率は9割に達している」
--利用目的は
「約半分を誕生日プレゼント用が占める。飲み会の幹事役にお礼したり、仕事でミスをした同僚を励ましたりするためにも使われている。今は個人の利用が9割を占めるが、営業ツールとして使う方も多い」
--国内の市場規模は
「韓国では市場規模は300億円ぐらいある。約半分をビジネス利用が占める。日本は人口が多く、ビジネス利用がまだ少ないことを考えてもそれを上回るはずだ」
--目標は
「17年ぐらいに会員を100万人まで増やしたい。商品もファストフードやスイーツといった飲食系をはじめ、マッサージ、映画のチケットなど幅広くそろえたい。美容室が20代の女性だけに割引券を配るといった使い方をすれば販促にも役立つ。ビジネス向けではどう役立つのか分かりやすく示したい」(井田通人)
◇【プロフィル】太田睦
おおた・むつみ 慶応大総合政策卒。2007年アクセンチュアを経て、10年8月ギフティ設立。28歳。神奈川県出身。
◇【会社概要】
▽本社=東京都品川区上大崎4-5-37山京目黒ビル3F
▽設立=2010年8月
▽資本金=4624万5000円
▽従業員=10人
▽事業内容=ソーシャルギフトサービスの提供
「フジサンケイビジネスアイ」