H&MSupport齋藤眞一社長(左)と光・レンタの石原通雄代表
H&M Supportと光・レンタが展開する発光ダイオード(LED)照明のレンタルサービス「ヒカリレンタ」が発売1年で順調に受注を伸ばしている。電気代の大幅削減はもちろん、初期投資や与信枠設定はなく、レンタル料は蛍光灯40ワットタイプで1カ月100円という安さ。ビジネスエージェント方式で販売網を拡大しているのが特長だ。5年で累積300万本導入が目標という。
LED照明は寿命が長く電気代を大幅に節減できるにもかかわらず、初期投資が高額なうえ、融資を受けるには審査や与信枠の設定が必要といった理由で工場やオフィスなどの導入がなかなか進まないのが実情だ。
そこで「ヒカリレンタ」は、LED照明をメーカーから全額購入したうえでレンタルする方式を採用。工事費を含む初期投資をゼロにし、与信枠の設定も不要、保守や保証料無料、途中解約の違約金もないという独自のシステムを作った。
導入するメリットについて、光・レンタの石原通雄代表はまず電気代を挙げる。「例えば蛍光灯の導入本数1016本の病院では、電気代は年間240万円に上り、LED照明ならほぼ半額になる。ヒカリレンタの費用はレンタル使用料だけで、電気代削減分の4、5割がコストダウンになる。初期投資の心配もなく、導入のハードルは大幅に低くなる」と話す。
H&M Supportが運営・管理・財務を担当し、光・レンタは営業を受け持つ。
「これまでの導入の障害を、2社でリスクを負うことによってほぼ解消した。仮に日本中がLED照明になると、原発13基分の電気量削減になるといわれる。蛍光管のように水銀を使わないため環境にもやさしく、企業の社会貢献にもなる。普及率を促進する意味でも思い切ったレンタルシステムをとった」(石原代表)という。
販売方法は、保険や車などの販売会社と提携するビジネスエージェント方式。信頼関係第一というのが理由だが、互いのメリットを生かす意味もある。LED照明の導入側は大幅なコストダウンが可能、浮いた資金は他の投資に回せる。ここにエージェントが営業できるメリットが生じる。
光・レンタは2014年7月の設立。H&M SupportはLEDレンタル事業の独自システムで「ベンチャーカップCHIBA優秀賞」を受賞し、千葉県の経営革新計画の承認を取得した。商標登録や特許申請も行う。累計受注件数は120件、売上高は1億4000万円に達した。大手食品会社の工場に1000本導入したほか、オフィスや倉庫、病院、店舗など多業種に及ぶ。石原代表は「2020年に蛍光灯が製造禁止になるまで300万本のLED導入を達成したい。電気代では年間60億円の節約、二酸化炭素(CO2)削減量では杉100万本に相当する。目指すのは“100年後の地球と子供たちを守る”ことだ」と語る。
◇【会社概要】H&M Support
▽本社=東京都中央区日本橋箱崎町16-11 ルミネ日本橋102
▽設立=2012年5月
▽資本金=1000万円
◇【会社概要】光・レンタ
▽本社=東京都中央区日本橋箱崎町16-11 ルミネ日本橋102
▽設立=2014年7月
▽資本金=5万円
「フジサンケイビジネスアイ」