調査結果を公表するデロイトトーマツ企業リスク研究所の関係者。左が奥村所長
リスクマネジメントなどの調査・研究を行うデロイトトーマツ企業リスク研究所(東京都千代田区)は、2015年版の「企業のリスクマネジメントに関する調査」の結果を公表した。それによると優先すべきリスク対策が「地震・風水害など災害対策の不備」と回答した割合は10%と、14年調査に比べて11ポイントも低下した。項目別順位でも4位から9位へと下げ幅は著しく、同研究所では「東日本大震災の風化が懸念される」と指摘している。
全体のトップに立ったのは「海外拠点の運営にかかわるリスク」。前回から18ポイント増の46%となった。M&A(企業の合併・買収)を含めた海外進出の急拡大が背景にあるためで、「グローバルベースでのリスクに直面している企業が増えた」(奥村裕司所長)ことを示している。
海外拠点の運営にかかわるリスクについては、従業員1000人未満の企業で関心が高くなっていることが判明した。また、リスクマネジメントをより高度化させるために自社に最も必要と考える事項について質問したところ、「グループとしてのリスクの考え方の共有」が41%と最も多かった。
この調査は15年5月から11月にトーマツが開催したセミナーの出席者に対して実施、237社から回答を得た。
「フジサンケイビジネスアイ」