セラピストが会社内で施術をするVOYAGEの法人向けリラクセーション
リラクセーション事業を手掛けるVOYAGE(ボヤージュ)は、従業員50人以上の事業所を対象に義務づけられたストレスチェック制度を追い風に、法人向けサービスの展開を加速させる。現在、21社に導入されているが今年中に50社にまで拡大させる。
ボヤージュは手間や費用をかけずに福利厚生を充実させたいという事業所のニーズに対して、リラクセーションサービスを提供する。導入を希望する事業所は、会議室や応接室を用意すれば初期費用ゼロで始めることができる。
通常、会社内に設置されたマッサージルームは視覚障害者の正社員採用が一般的だ。障害者スペースの整備、音で検知できるパソコンの配備などが必要で、初期費用が400万円ほどかかるとされている。その上、保健所の定期的な検査や指導への対応に手間がかかる。このため、規制のないリラクセーションに切り替える動きが出てきている。
法人向けサービスの一例を挙げると、同社はソーシャルゲーム事業のココネ(東京都渋谷区)と提携し、女性セラピストが毎週木曜日に、ココネの従業員を対象にリラクセーションの施術をしている。デザイナーやエンジニアなど、長時間パソコンに向かって仕事をする従業員で、毎回予約枠全てが埋まる。利用者に対しては、セラピストからクラウド上の専用ページに個別の健康指導が書き込まれる。「『肩凝りが治った』『すっきりする』など好評で、もっと増やしてほしいという声もある」(ココネの担当者)と反応は上々だ。
ボヤージュは2010年に事業を立ち上げた。しかしリーマン・ショック後の時期であり、続いて発生した東日本大震災も影響し、法人が福利厚生を手掛ける余裕がなかったことから苦戦を強いられる。ようやく景気回復に伴って14年から事業所の導入が増加し、ストレスチェック制度の義務化による健康への関心の高まりを背景に、法人からの問い合わせが増えてきた。
将来的には産業医、保健師、看護師を雇用して、社員の健康づくりにアドバイスするサービスも展開する。
新井卓二社長は「企業の関心は高く導入希望も多いが、直営スクールでのセラピストの養成が間に合わず、応じきれないほどだ」と事業拡大に手応えを感じている。(佐竹一秀)
◇【会社概要】VOYAGE
▽本社=東京都新宿区新宿2-9-1 第31宮廷マンション4階
▽設立=2010年3月
▽資本金=1000万円
▽従業員=10人
▽事業内容=法人向けリラクセーションルームの設置、施術者派遣、サロン運営、スクール運営
「フジサンケイビジネスアイ」