シンクピア・ジャパン(横浜市都筑区)は微生物を使って生ごみを水と二酸化炭素(CO2)に分解する生ごみ処理機「シンクピア」に、業務用=写真=も追加した。焼却処理に比べて環境負荷が小さいことから、ホテルや食品加工、外食などの企業が関心を示しているという。
この生ごみ処理機は、繊維や油脂、タンパク質、炭水化物、においの成分などを分解する能力をもつ十数種類の微生物を培養・混合した処理液の中に、細かい穴が無数に開いた小石状の発泡素材を浸して微生物を定着させ、それを処理機の中に入れてごみを分解する仕組み。
処理機は韓国メーカーが開発し、同社が主に家庭用を国内販売してきた。「腐る前に処理するため生ごみ臭がしない」(松岡清次社長)ことなどが評価され約2000台の販売実績がある。
業務用機種も試験的に販売してきたが、食品リサイクル法が改正され、企業が食品廃棄物を減らす取り組みを強めていることから、需要が増大すると判断。韓国メーカーから特許権を取得し、耐久性や使い勝手を高めた業務用を自社開発して本格的な販売に乗り出した。
同社の試算によると、生ごみを処分場まで運搬し焼却処理する場合と比べ、CO2排出量を約96%削減できるという。 処理能力(1日当たり30~100㌔㌘)により数機種があり、価格は147万~504万円。今後、さらに機種を充実させる。家庭用と業務用を合わせ今年度は約10億円の売上高を目指す。
「フジサンケイビジネスアイ」