裾野拡大に「電子太鼓」開発

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太鼓センター 東宗謙社長

和太鼓スクール「TAIKO-LAB(タイコラボ)」を運営する太鼓センターの東宗謙社長は、スピーカーに接続し、騒音を抑える電子太鼓の開発を進めていることを明らかにした。同社は和太鼓の演奏が「心身の健康に良い影響を与える」との研究を大学と共同で取り組むなど、和太鼓人口の裾野拡大を目指しており、カラオケボックスなど身近な場所で和太鼓を演奏できる環境づくりを進める狙いだ。

 --和太鼓スクールの会員が増えている

「フランチャイズチェーン(FC)展開を始めた2011年ごろから急速に会員数が拡大し、現在では41スタジオ、5500人の会員数にまで成長した。最近の和太鼓ブームも手伝って、さらなる事業拡大のチャンスが訪れているが、和太鼓演奏を教えるインストラクター不足の問題もあり、今はFCオーナーの募集を停止している。インストラクター育成を加速させ、コンテンツの作り手やパフォーマーなど若い人材がどんどん出てくる宝塚歌劇のようなビジネスモデルの仕組みを作りあげたい」

--和太鼓を健康作りに生かす取り組みにも熱心だ

「ストレス解消やダイエット、生活習慣病の予防などの効果を呼びかけており、和太鼓を通した新健康サービス業をうたっている。集団で演奏を楽しむため、仕事や年齢の垣根を越えた仲間作りができることも人気の背景にある。さらに関西学院大学と共同で、和太鼓を打つことによる脳(前頭前野)の活性化についても研究している。地元・京都の大学生らと連携し、アフターファイブに太鼓演奏を楽しむことによって、社員のメンタルヘルスに良い影響を与える可能性を、大企業などにも訴えたい」

--日本文化の発信にもつながるのか

「インバウンドの外国人旅行者に対して、和太鼓の体験演奏の場も提供している。スタジオのある東京や京都は外国人客が多く訪れる国内1、2位の観光地で、東京には月間数百人が和太鼓体験に参加することもあるほどだ。20年には東京五輪も開かれるため、国立競技場のケヤキの木を手に入れて、和太鼓としてよみがえらせようという計画もある。もし公式行事として採用されれば、全国を演奏して回り日本文化を発信する機会にしたいという思いだ」

--スタジオ作りには騒音対策などコストもかかる

「スタジオでは会員に思いっきり演奏してもらえるように、防音対策を施している。ただ、どのような場所でも楽しんでもらえることが今後の課題になる。そのため、メーカーなどと連携し、音を抑える電子太鼓の開発を急いでいる。高齢者施設や教育施設などに出向き、教えることもできるし、カラオケボックスやゲームセンターなどに設置し、若い人たちに和太鼓演奏を手軽に楽しんでもらえるようにしたい」(小島清利)

                  ◇ 【プロフィル】東宗謙

ひがし・むねのり 立命館大卒。合唱団「若者」で太鼓と出会い、1976年に独立し、音楽の道へ。88年に太鼓センター設立。NPO和太鼓文化研究会理事長、京都経済同友会幹事、日本民族音楽会会員。66歳。長野県出身。

                  ◇

【会社概要】太鼓センター

▽本社=京都市下京区高辻大宮町113-4

▽設立=1988年2月

▽資本金=5279万円

▽従業員=95人 (パート含む)

▽事業内容=和太鼓スクールの運営、出版・販売・商品開発、和太鼓スクールフランチャイズ事業

「フジサンケイビジネスアイ」

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