「位置ゲーム」通じ現地へ誘導、地方創生に貢献

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モバイルファクトリー宮嶌裕二CEO

□モバイルファクトリー・宮嶌裕二CEO

スマートフォンゲーム市場が拡大する中で、ヒット作を次々と世に送り出しているモバイルファクトリー。ゲームを通じて地域活性化や医療費削減に貢献しようとしている。宮嶌裕二最高経営責任者(CEO)は「実際に人を動かし、街の空気や人のざわめきに触れることで新しい世界が広がり、コミュニケーションを生み出す」と位置情報を利用したスマホゲームの可能性を強調する。

--位置情報連動型ゲームが好調だ

「端末の位置情報登録機能を利用して、全国の鉄道駅を集めて回る陣取りゲームの『ステーションメモリーズ!』が業績を牽引(けんいん)している。位置情報ゲームの1~6月の売上高は過去最高を更新した。4月にはTポイント提携先と連携した『にゃんこプレジデンッ!』をリリースした。Tポイントに加盟しているファミリーマート、TSUTAYAなどの店舗に行って、チェックインするゲームだ。5000万人を超えるTポイント会員に、カード利用と来店を促すことができる」

 --地方創生にも貢献している

「企業や自治体と協力してゲーム内でイベントを開くことで、現地へ足を運ぶきっかけを提供している。2月5~28日まで実施した東京都の西多摩地区の観光PRキャンペーンでは、約2400人が現地に出向いた。また、復興支援として岩手県の三陸鉄道とコラボイベントを開催したときは、約400人が三陸地方を訪れた。今年から全国各地の花火大会との連携も始めている。単にスマホの中で完結するのではなく、足を運ぶことで実体験ができるので楽しみが増す。食事や宿泊といった消費を増やし、地域活性化にも役立っている」

--ゲームにはマイナスイメージが根強い

「ゲームは世の中のために役立っていないと批判されることがある。確かにゲームばかりしていることは良くない。このため当社ではゲームをきっかけに、キャンペーンやイベントと連動して人々をさまざまな場所へ連れ出す工夫をしている。これは医療費削減にも貢献する。位置情報ゲームは自分で移動するため、運動不足を解消し生活習慣病の原因となるメタボの予防に役立つからだ。地方創生と医療費削減の2つの国策に対して、有効な手段となり得る」

--今後の計画は

「中高年に街歩きを促し、健康を増進するサービスを来年以降、リリースしたい。詳細はまだ決まっていないが、ゲームの要素を加えてモチベーションを高めたい。目標を設定して歩き、楽しみながら生活習慣病の改善につながる内容にしたい。売上高は2015年12月期に前期比6.1%増の16億3300万円を見込んでいる」(佐竹一秀)

                  ◇

【プロフィル】宮嶌裕二

 みやじま・ゆうじ 中大法卒。1995年ソフトバンク入社。サイバーエージェントを経て、2001年10月モバイルファクトリーを設立し、現職。44歳。東京都出身。

                  ◇

【会社概要】モバイルファクトリー

▽本社=東京都品川区東五反田1-24-2 東五反田一丁目ビル8階

▽設立=2001年10月

▽資本金=4億7000万円

▽従業員=86人 (15年8月1日時点)

▽売上高=16億3300万円 (15年12月期予想)

▽事業内容=モバイルサービス

「フジサンケイビジネスアイ」

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