児童養護施設や定時制・通信制高校などに通う若者たちへの就労支援を手がけるフェアスタート(横浜市中区)は、求人を考える企業の情報を載せたサイト「18スタート」を開設した。働く意欲が高い高卒者や高卒見込み者と中小企業との橋渡しを進め、若者の安定した就労継続を支える。
すでに立ち上げられているサイトの試行版には、神奈川県内を中心に製造業、旅館、ソフトウエア開発などの業種の求人情報が登録されている。サイトを見た児童養護施設職員や高校の教員が企業の人事担当者と連絡を取り合い、会社見学や就労体験、採用試験などに関する情報を若者へ提供する。開設後1年で70社、3年で200社の登録を目指す。
景気の回復で大手企業の採用意欲が高まり、新卒採用に苦戦する中小企業にとって人材確保は大きな経営課題の一つだが、学業優先との考えから、公共職業安定所に求人票を出すこと以外の採用活動が難しい。
一方、家庭環境の事情から児童養護施設などで暮らす高校生の多くは就職を考えるが、就職協定により1人1社しか応募できないなど就職活動での制約が多い。
またこうしたことが原因で、内定した就職先になじめずにすぐに退職、若年層の貧困の一因と指摘されている。
永岡鉄平社長は「施設の子供たちは経済的な理由で早くから働くことを真剣に考えている。サイトを通じて、貧困の連鎖が断ち切れるようになれれば」と話している。
サイトのアドレスはhttp://18start.jp/
「フジサンケイビジネスアイ」