子供鉄道ファン向けヘルメット 人気の新幹線3種モチーフ

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カーAV取付キットを展開するカナック企画(東京葛飾区)は、北陸新幹線の「E7系かがやき」など3種類の新幹線のデザインをあしらった子供用自転車ヘルメットを発売した。鉄道ファンを自認する金子高一郎社長が力を入れる「鉄ちゃん向けビジネス」はこれで第3弾となる。鉄道ファン向けという「すき間市場」を突破口に消費者向けビジネスの拡大に挑み、社業の柱への育成を目指す。

カナック企画が3月末に発売した子供用自転車ヘルメットは、「E7系かがやき」のほか、「E6系こまち」「E5系はやぶさ」の3種類。サイズは50センチから56センチで、3~8歳向け。価格は消費税別で3500円を見込んでいる。9月にはドクターイエローをあしらった新製品を投入する計画だ。

金子社長が、商品化を決断した子供用自転車ヘルメットは、本社が所在する東京都葛飾区で展開している異業種交流グループのミーティングで、子供の自転車の安全をめぐる問題や、自転車の安全な利用促進をめぐる東京都の条例改正などが話題に上がったことがきっかけだ。

異業種交流会に出席していた大手損害保険会社に務める鉄道ファンのメンバーから、「子供の生命を事故から守る自転車ヘルメットの普及のためには、子供に人気のある新幹線のデザイン付き商品の開発が効果的だ」と商品化のアイデアを提案。製造技術があり、鉄道ファン向けのビジネスにも力を入れているカナック企画に商品化の話を持ちかけ、メンバーと金子社長が意気投合した。

金子社長は、米ハッソン大学経営学部卒業後、半導体商社に3年勤務した後、グループの礎であるカインズに入社。吸収したグループ会社の再建などに関わり、2002年、前社長の急逝に伴い、カナック企画の5代目社長に就任。09年にはカインズの代表取締役社長に就任するなど、現在ではグループ4社の代表取締役を兼任する。

金子社長自身が大の鉄道ファンで、新線開業のたびに競争率の激しい「プラチナチケット」の獲得に努力を惜しまず、たいていの話題の列車には欠かさず乗車するほどだ。その姿がテレビの情報番組にも映り、従業員たちの話題になったことがあるという。

  カナック企画は、カーAV取付キットというヒット商品が屋台骨を支えるが、新規事業の開発にも余念がない。なかでも、「昔のオタク系文化から、現在は市民権を得てきた『鉄ちゃん』向けのビジネスを軌道に乗せたい」(金子社長)と鉄ちゃんビジネスの開拓には並々ならぬ意欲を燃やしている。これまでに列車の模型をかたどったシリコン製のUSBメモリー(メモリー容量4ギガバイト、2500円)や、子供用鉄道傘(消費税別1800円)を投入している。(小島清利)

「フジサンケイビジネスアイ」

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