AGSコンサルティング・廣渡嘉秀社長
AGSグループは、税理士約60人、会計士約50人を抱え、税務会計を中心に経営管理全般に関わるサービスを提供している。経済のグローバル化や社会構造の変化に合わせて事業承継やM&A(企業の合併・買収)の支援も強化、規模を拡大している。中核会社であるAGSコンサルティングの廣渡嘉秀社長は「時代に合わせて(事業のあり方を)変えていく」と強調する。]
--AGSグループの概要は
「税務、会計の領域に関わるサービスを総合的に提供している。組織的には、AGSコンサルティングとAGS税理士法人から成り立っている。AGSは『アカウンティング』『グローバル』『サービス』の英語の頭文字を取ったものだ」
--税務会計以外のサービスも提供している
「事業承継や企業再生、IPO(新規株式公開)、M&Aなどを担当する組織がある。もっとも、これらの多様なサービスは顧客からの要望で派生してきたもので、事業の本質は経営管理機能を高めるための継続的提案と支援にある」
--海外進出も支援している
「国際事業部を中心に、海外約30カ所の提携ネットワークを作っている。国内の独立系事務所としては珍しく、シンガポールに現地法人もあり、必要に応じて増やしていく考えだ」
--顧客企業は
「GMOインターネットなどの有力企業を含む約1400社が顧客となっている。業種はさまざまだが、上場を控えたベンチャーも多い。こうした会社は良い事務所を常に探しているが、そうした厳しい環境に身を置くことは、自分たちが鍛えられることにもなっている」
--売り上げ構成は
「事業承継を含む税務会計が約4割で、それ以外をIPOやM&A、企業再生が占める。10年前までは税務会計が7割を超えていた」
--日本では税理士事務所や会計事務所を個人で運営するケースが大半だ
「日本では税理士が約7万5000人、会計士が約2万7000人いて、個人で事務所を開けることから、事務所数は3万~4万もあるが、競争が働いていない。それに対し、当社は総合型の事務所を目指している。その方が組織力が働くため、より良いサービスを提供でき、顧客の満足度も高くなるからだ。日本企業への税務、会計のバックアップはまだまだ足りない。新しい動きがあってしかるべきだ」
--目標は
「日本一のアカウンティングファームになり、日本企業の国内外での活躍を支援したい。日本企業からのサービスへの要求水準は高く、日本企業の相手は日本の事務所でないと務まらない。日本企業に鍛えられた独立系事務所として、グローバルなフィールドでも活躍できる存在になりたい」(井田通人)
【プロフィル】廣渡嘉秀
ひろわたり・よしひで 早大商卒。1990年センチュリー監査法人入所。94年AGSコンサルティング入社。2008年3月から現職。47歳。福岡県出身。
【会社概要】AGSコンサルティング
▽本社=東京都中央区日本橋室町1-7-1
▽設立=1988年2月(創業は70年10月)
▽資本金=3500万円
▽従業員=222人
▽事業内容=税務会計、M&A支援、事業承継支援など
「フジサンケイビジネスアイ」