清光社 機械工学の魅力、若者に発信 情報サイト来月本格運用

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若い機械系エンジニアや学生向けの情報サイト「機械人Z」について説明する豊吉康夫社長=東京都千代田区

 機械部品専門商社の清光社は機械系のエンジニアや学生向けの情報サイト「機械人Z」を4月から本格運用する。日本のものづくりを支える機械に関心を持つ若い世代を支援することで、機械業界を志す学生を増やすとともに自社の知名度向上を図り、中長期的な業績貢献を目指す。1月の試験運用から月1万人の利用があり、本格運用開始以降は同3万~5万人を目標とする。

 「機械人Z」は機械工学系の若手研究者や学生、高校生に自らの専門領域に一層の関心を抱いてもらうことが目的。国内外の業界動向を動画や画像、記事などを中心に紹介しているほか、書籍、商品、アプリ、展示会、セミナーなどの基本情報も掲載している。このうちロボット関連は人気コンテンツとなっており、親しみやすさから閲覧数は全体の70%を占めている。今後は機械系の男子学生の恋愛事情や女子学生のライフスタイルなど、エンターテインメント性の高いコンテンツも提供していく。

 サイトでも人気があるロボット業界は、動きが活発化している。2013年に米グーグルが日本のベンチャーを含む7社のロボット関連企業をM&A(企業の合併・買収)で傘下に収めた。また、米アマゾンもロボットタイプの無人ヘリコプターで商品を配達する計画を発表。ロボット産業はスマートフォン、タブレット端末、ウエアラブルデバイスの次を担う産業になると期待されている。

 日本でも安倍晋三政権の経済対策「アベノミクス」以降、機械関連企業の業績が好調に推移し、成長を支える産業として脚光を浴びている。一方、今年に入って政府がロボット市場を5年後に4倍に引き上げる新戦略を策定した。このため今後、若い優秀な機械系エンジニアの育成、サポートの必要性が高まると予想されている。

 ロボットを軸に再びスポットが当たりつつある機械業界だが、サイトを立ち上げた背景にはせっかく機械工学を専攻しても、金融やIT(情報技術)など他の業界に進む学生が多いことが背景にある。商社も高度な専門性を持つ人材として理系学生への採用意欲は高い。

 このため少しでも機械業界に関心を持ってもらおうと、学生とのコラボレーション企画も計画している。例えばロボットコンテストに出場しようとしているチームに、商社としての強みを生かして部品を提供することもその一つ。大学から派生したベンチャービジネスのスタートアップ支援を手掛ける考えもある。さらに中小企業の求人難を解消するため、転職サイトへの参入も視野に入れている。

 豊吉康夫社長は「ロボットを中心とした機械の魅力を発信することで、優秀な人材に機械業界を志してほしい」と若い技術者たちに期待をかけている。(佐竹一秀)

                   ◇

【会社概要】清光社
 ▽本社=東京都千代田区神田須田町1-12-3 アルカディアビル8階
 ▽設立=1945年4月
 ▽資本金=2000万円
 ▽従業員=80人
 ▽事業概要=精密機械部品の販売、自動化装置類の製造販売

「フジサンケイビジネスアイ」

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