魅力と商標テーマにシンポ

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サウンドデザインビジネスとその人材養成の支援の必要性について熱心に語るSSDSの前田修理事

 サウンドデザインビジネスや、サウンドデザイナーの育成、支援へ向けた動きが始まった。昨年10月に設立された、一般社団法人「スマートサウンドデザインソサエティ」(SSDS、東京都渋谷区)は今月26日、中央大学理工学部(同文京区)で企業、専門家や学生などを集め、第1回SSDSシンポジウム「スマートサウンドデザインの魅力と音商標について」を開催、これを手始めに本格的な活動を開始する。

 同シンポでは、SSDSの設立趣旨や活動方針を説明して入会を募るほか、サウンドデザインビジネスの現況や特許庁が新設する音の商標権などについて解説する。

 サウンドデザインとは、聴覚を通じて人に美感などの感覚形成やイメージ連想を促したり、機能や情報を提供したりする動作音や合成音を創作、設計することだ。製品やサービス、ブランドなどの識別性を高め、差別化を図る技術としても世界中で注目されている。

 具体例として自動車のエンジン音合成がある。従来は気筒数や点火間隔などで調音したが、いまはコンピューターシミュレーションでエンジン音を合成できる。今後は静かな電気自動車や燃料電池車が主流になると予想され、エンジン音の代わりに好きな音源をユーザーが自由に選んだり、携帯端末で持ち込んだ音楽を運転状況に連動し、車の内外に効果的に流す研究が進んでいる。

 日本では自動車やゲームの関連分野でサウンドデザインの需要が高まっているが、サウンドデザイナーが安定した収入を得られる環境にはない。「音を作る人材に加えて、ユーザーの要望に合わせて人材をつなぐ横連携組織がまず重要になる。音の商標権出願では先に登録された音の検索と確認が欠かせない。似た音が世にあふれてきたらコピーの防止や発見、識別、裁判が必要になる。これらの課題には技術力と経験・知識を備えたエンジニアが求められる。SSDSが貢献できれば」と前田修理事は期待する。前田氏はヤマハ発動機で音の研究一筋に33年間務めたサウンドデザインの第一人者だ。

 SSDSはこのほか、化粧室や非常口など公共の場での標識に使われるピクトグラム(視覚記号)と同じ効果を持つサイン音の開発やスマートサウンドデザイン賞の創設などを検討し、サウンドデザイン分野の確立と活性化を図っていく。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

「フジサンケイビジネスアイ」

一般社団法人スマートサウンドデザインソサエティ
HP:http://ssds.or.jp/

2015年2月26日(木)開催
第1回SSDSシンポジウム「スマートサウンドデザインの魅力と音商標について」
詳細はこちら ⇒ http://ssds.or.jp/seminar001

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