■「プロフェッショナル」提供開始
日本最大級のQ&Aサイト「OKWave」を運営するオウケイウェイヴは、弁護士をはじめとした専門家が利用者の質問に回答する「OKWave Professional(プロフェッショナル)」の提供を開始した。
OKWaveは、一般のユーザー同士が質問と回答のやり取りを行うサイトで、運営から15年が経過。これまでに3200万件を超えるQ&Aの蓄積がされている。
サイトに登録するに当たっては、宣伝行為を防ぐために半匿名が条件。このため一般の回答者として弁護士が参加するケースがあったとしても、質問者は弁護士かどうかの区別は不可能だった。必然的に優れた回答があった場合でも、「この人が弁護士であれば相談したい」といった、次のステップに進むことは難しかった。
こうした中、「信頼性のある人に相談したい」「弁護の依頼も行いたい」といった声が高まっている点に着目。プロフェッショナルを立ち上げて対応することを決めた。
専門家はプロフェッショナルに登録するに当たって、参加料を支払う必要がある。その分、数々のメリットを享受できる。
具体的には回答すると実名や顔写真、プロフィルなどが公開されるため、PR効果につながる。また、利用者の反応を踏まえたランキングも明確化。どういった人が質問しているのかも明らかになるため、効率よく顧客を獲得できるようになる。
また、プロフィルには回答履歴や「主にどういったジャンルで対応していたのか」といった実績も掲示されており、さまざまな観点に基づき、依頼する弁護士を選択できる。開発に携わったサービスプランニング部の伊藤勇剛マネージャーは「一般的な弁護士サイトでは予算などが判断基準となるが、プロフェッショナルでは答えの温かさや『自分に合っているか』といった部分を重視している」と強調する。
プロフェッショナルを閲覧する場合、ボタン一つで一般回答のページから切り替えられるようにした。「一般ユーザーにとって、法律的なものだけでなく経験や人生相談も重要となる」(プロフェッショナルソリューション事業部の小林義忠マネージャー)からだ。
同社ではサービスの幅を広げたことによって高度な質問・回答事例が増え、ページビューの増加、収益性の拡大につなげていく考え。
すでに600人の専門家が参加。今後も弁護士をはじめとして税理士や司法書士などの参加を促し、来年後半には数千人体制を構築する計画だ。(伊藤俊祐)
【会社概要】オウケイウェイヴ ▽本社=東京都渋谷区恵比寿1-19-15 ウノサワ東急ビル5階 ▽設立=1999年7月 ▽資本金=9億7900万円 ▽事業内容=Q&Aサイト「OKWave」の運営
「フジサンケイビジネスアイ」